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■【2010/06/01】(91)交差点における右折車と追い越し直進車との事故click!

■【2010/06/02】(92、93)丁字路交差点における直線路直進車と右左折車との事故click!

■【2010/06/03】(96、97)丁字路における右折車同士の事故click!

■【2010/06/04】(100)道路外出入車と直進車との事故click!

■【2010/06/07】(101)道路外出入車と直進車との事故click!

■【2010/06/08】(102)道路外出入車と直進車との事故click!

■【2010/06/09】(103)対向車同士の事故click!

■【2010/06/10】(104)同一方向に進行する車両同士の事故click!

■【2010/06/11】(105)同一方向に進行する車両同士の事故click!

■【2010/06/14】(106)進路変更車と後続直進車との事故click!

■【2010/06/15】(107)追突事故click!

■【2010/06/16】(108)転回車と直進車の事故click!

■【2010/06/17】(109)転回車と直進車の事故、転回終了直後の事故click!

■【2010/06/18】(110)駐車車両に対する追突事故click!

■【2010/06/21】箸休め?click!

■【2010/06/22】(1)後進中のタクシーに、路外から進入した車が追突click!

■【2010/06/23】(2)救急車との衝突click!

■【2010/06/24】(3)センターオーバー衝突click!

■【2010/06/25】(4)山岳道路での正面衝突事故click!

■【2010/06/28】(5)緊急出動の消防車に100%過失click!

【2010/06/29】(6)踏切不作動での電車と自動車の衝突

第2章 四輪車同士の事故
判例タイムズ・赤い本にない過失割合

イラストが間に合いません!

(6)踏切不作動での電車と自動車の衝突

H14-3-12、福井地裁武生支部判決、平成11年(ワ)1号、50:50
踏切に不作動があり、警報機も鳴らず、遮断機が下りず、閃光灯も点滅しない状態で、開放されています。
こんなときに限って、事故は発生するもので、線路内に進入した自動車と電車が衝突しました。
急行や特急なら大惨事ですが、幸いなことに、鈍行で駅に近づいており減速しています。
自動車の運転者は、頚椎捻挫、左第5肋骨骨折、左肩甲骨骨折、腹部打撲、頭部打撲と切創で24日の入院と92日の通院で事なきを得ました。
さて、電車と自動車の過失割合ですが、福井地裁は、50:50と判定しています。
少し、自動車に厳しいのではないの?詳細を検討することにします。

H11-3-29、大阪地方裁判所判決、
旅客鉄道事業は、安全対策の不備等により、ひとたび事故が発生すれば、直ちに人の生命、身体に危険を生ぜしめるおそれのある事業であり、かかる旅客鉄道事業者の行為から生ずる損害発生の危険の程度ないし蓋然性の大きさと被侵害利益の大きさに鑑み、旅客鉄道事業者の機関ないし従業員が事故発生の防止のために負うべき注意義務の内容も、極めて高度のものが要求されているものといわざるを得ないのであって、単に鉄道事業法、鉄道運転規則等の関係諸法規や運転取心得の諸規定を遵守するだけでは足りず、可能な限度で運行の安全に関わる情報を積極的に収集し、必要に応じてその時々の水準にある安全工学や人間工学等の学問的知見をも活用して情報を分析し、事故防止を図るべき義務を負っているというべきである。

列車運転士の過失について、
運転取り扱い内規によれば、第19条に、踏切警報装置のある踏切は、反応灯の点滅により作動を確認すること、反応灯が作動しないときは速度を低下、警笛吹鳴と同時に注意運転すること、故障その他の事由により係員が配置されているときは、警笛を吹鳴し注意運転すること、警笛吹鳴標のある踏切では充分に気笛を鳴らして運転すること、なお、踏切通行の特例第20条では、上鯖江南踏切は車両通行不可であるが、8/15〜10/16までの期間は耕耘機が通行するので注意することとの記載がなされ、この地方の事情を物語っています。

本件踏切の動作反応灯の手前は直線であり、約240m手前から下り列車の運転士はその動作反応灯の確認が可能で、踏切の動作反応灯の設置地点に時速50kmで差し掛かった下り列車であっても、即時同所で非常制動をかければ、本件踏切直前で停止できる状況である。

列車運転士は、戊原駅を発車、本件踏切の1つ手前の乙原踏切を時速50ないし55kmで進行したが、本件踏切の動作反応灯の作動、乙原踏切辺りに達したときから、本件踏切の動作反応灯が作動し始めるを確認することなく、漫然進行した(ことが認められる。 運転取扱内規の、速度を低下し、警笛吹鳴と同時に注意運転を尽くした形跡は認められない。 本件において、本件踏切の不作動を示す現示を確認した時点で、直ちに停止義務を認めるかどうかはともかくとしても、列車の運転士は、それまでの知識・経験を総合して合理的に判断すれば、少なくとも、踏切における事故発生を防止すべく、踏切直前においては直ちに停止できるような速度まで低下させ、踏切の安全を確認できるまで、その速度を維持継続すべきであり、その前提として、列車の運転士に本件踏切の不作動を示す現示を確認すべき義務があることはもちろん、かつ、運転取扱内規の通り、警笛を吹鳴すべき義務があるというべきである。 にもかかわらず、列車運転士は、それらの義務を怠り、漫然列車を進行させた過失により、本件事故を惹起したものである。

自動車の過失について、
本件事故は、原告車両が本件踏切を通過中の事故である。 対向車、踏切の西側入口に一時停止した車両の運転者は、南側130mに接近してくる被告車両を現認している。

道路交通法33条1項によれば、車両等は、踏切を通過しようとするときは、踏切の直前で停止し、かつ、自分の目と耳で安全であることを確認した後でなければ進行してはならないと規定されています。
さらに、S39-1-28、最高裁第1小法廷判決では、「踏切内を通過しようとする車両等は、停止線で一旦その安全を確認したならば、それでその義務を尽くしたといえるものではなく、踏切内に入る直前直後、その通過中も踏切内の安全を確認しながら、速やかに進行する義務があるといわなければならない。
まして、限られた見通し状況において限られた範囲を見るだけの確認をしただけでは、踏切内の安全を確認したとは到底いえない。」と判示しています。

つまり、踏切の直前で一時停止しても、一時停止それ自体が重要ではなく、踏切内の安全を確保することを法の眼目としているのです。

過失割合について
本件踏切の安全設備における瑕疵の態様、本件事故の態様、その他諸般の事情を勘案すると、列車について50%、自動車運転者は50%とするのが相当である。

現実の訴訟では、到底認められない損害を大盛り込みして過大請求としている事案が目立ちます。
赤い本は、昭和55年に発刊、30年の歴史を誇っており、判例傾向は、弁護士ではない私でも読み取れます。
過大請求は、裁判の印紙代のみを余計に支払う結果となっています。
もちろん、なにも知らない被害者の一方的な負担です。
さらに、後遺障害等級が決定していても被害者請求で回収していないケースがあります。
確かに、遅延利息は多くなりますが、この部分については、弁護士費用が相当に減額されています。

本件では、過大請求と同時に、立証できない恥さらし請求が目立ちます。
付添看護費、14万4000円は、医師が作成した診断書には付添看護を要した期間欄の記載はなく、原告が主張する費用が本件事故と相当因果関係のある損害であると認めるに足りる証拠はない。

休業損害、73万6624円は、家業である絹織物製造業を法人組織で営んでいるものであるが、役員報酬全額は実質的に労働対価的な性格を有する部分であるところ、取締役会決議により休業日数については支給しないこととされ、欠勤により賃金カット相当額の損害を被ったと主張するが、労働の対価である休業損害部分を示す証拠は何ら提出されず、本件事故と相当因果関係のある損害額を認めるに足りる証拠はない。

対物保険適用による保険掛金アップ分の損害11万3680円は、このような保険料差額は損害発生の不確定性や被害者の意思に依存しているなどからみて本件事故と相当因果関係のある損害であるとは認め難い。

バッサリ、斬り捨てられており、恥を知れと言いたい!
自動車運転者も2流なら、電鉄会社も3流です。
よりにもよって、踏切保安装置調査費用として、135万円を請求、斬り捨て御免となっています。
電鉄会社が大同信号株式会社に依頼した、本件踏切の保安装置の欠陥調査の費用として135万円を要したことが認められ、確かに、事の経過としては、本件事故によりその調査が必要になったものではある。
しかしながら、事故という事態に至らずとも、被告は、旅客鉄道事業者として事故防止を図るという観点から、本件踏切の不作動が確認されれば(ないしは不作動が疑われる事情が発生すれば)、その時点で行うべきものであって、本件事故はたまたまきっかけとなったに過ぎない。
したがって、その調査費用は、本件事故そのものと相当因果関係のある損害とは認め難い。

こんなレベルの弁護士が、ウヨウヨいるのが情けない!

■【2010/06/30】(1)交通事故110番 アーカイブ?click!

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