5/29(金)判例46 声掛け介護の精神的負担は、身体的介護に勝るとも劣らない?

判例46 声掛け介護の精神的負担は、身体的介護に勝るとも劣らない?
 
後遺障害等級2級1号 2013年 京都地裁 和解
(1)概要

37歳男性会社員が、通勤の途上ですが、バイクを運転し、信号機の設置された交差点を直進中、対向右折自動車と出合い頭衝突したもので、自賠責保険調査事務所は、高次脳機能障害として、別表Ⅰの2級1号、両眼の半盲症で9級3号を認定しています。

(2)損保の反論
1)被害者には、速度超過および赤信号無視に匹敵する信号無視が認められ、少なくとも70%の過失相殺がされるべき、

2)被害者の食事・更衣・移動・排泄・整容・入浴などのADLは自立しており、必要と思われる介助や見守りは極めて限定的であるので、家族間で一般に行われている援助の域を出ない。
したがって、将来介護料は認められないと主張しています。

(3)弁護士の立証
1)⇒弁護士は、被害者に過失相殺をすべきではないと主張していますが、信号の色について確実な証拠が得られなかったので、裁判所の判断である、中間的な40%の過失相殺を受け容れました。

2)弁護士は、主治医の意見書、家族の陳述書で、本件の被害者に必要な介護は、旧来のADLに基づく身体的介護だけにとどまらず、看視、見守り、声掛けといった新たな介護が必要なことを立証、加えて、声掛けなどの介護の精神的負担は、身体的介護に勝るとも劣らないもので、介護者である家族のレスパイト(介護からの解放)の必要性や、事故により退職した家族の復職の可能性を考慮するのであれば、将来的に職業介護人による介護も想定されることから、日額8000円を平均余命まで認めるのが相当であると主張し、将来の介護料として5000万円を請求しています。

(4)裁判所の判断
1)⇒裁判所は、和解案で弁護士の主張を認め、将来の介護料として5000万円を認めました。

2)自動車を保有しておらず、二輪車も無保険であったため、人身傷害保険から過失割合の40%を埋めることはできなかったが、自賠責保険の3000万円、調整金の940万円、労災保険、通勤災害からの一時金597万円を加えると9247万円の賠償が実現しました。

(5)NPOジコイチのコメント
1)本件被害者は、生きている限り、厚生年金障害年金、労災年金、その他の共済などから、年間800万円を受給することができます。

2)本件の被害者は、幸いにも、身体的には比較的動くことができ、日常生活動作もある程度行える状態でしたが、損保が無視する看視、見守り、声掛けといった新たな介護の必要性を立証し、問題提起を行っています。
加えて、声掛けなどの介護の精神的負担は、身体的介護に勝るとも劣らない大変なもので、介護者である家族のレスパイトの必要性や、事故により退職した家族の復職の可能性にまで議論を拡げ、将来的に職業介護人による介護も想定されるとして日額8000円を平均余命まで認めるのが相当であると主張したところが、損保をキャント言わせたに勝因です。

 
 
ジョーク校内暴力?

厳密にどちらが先に手を出したかが非常に重大になってくる。
先生攻撃か?
生徒防衛か?

 

5/28(木)判例 45被害者の赤信号無視 目撃者あり?

判例 45被害者の赤信号無視 目撃者あり?
 
高次脳機能障害9級10号 2013年東京地裁 和解

(1)概要
22歳、男子大学生が、自転車に乗り、信号機の設置された交差点を直進中、左方から交差点に進行してきた加害自動車に跳ね飛ばされたもので、自賠責保険調査事務所は、高次脳機能障害として9級10号を認定しています。

(2)損保の反論
1)被害者は、夜間に赤信号の交差点に進入しており、過失割合は85%が認められるべき、

2)被害者の卒業が遅れたのは、就職が決まらなかったことで、1年間卒業を延期したものであり、就職遅れを理由とした休業損害は認められないと主張しています。

(3)弁護士の立証
1)⇒弁護士は、刑事記録などに基づき、以下の4つを立証し、主張しています。
①刑事記録などに基づき、事故現場は、夜間であっても、照明により明るい道路であったこと、
②被害者が赤信号であったとの加害者の主張は客観的根拠がなく立証されていないこと、
③目撃者の証言だけで、被害者が交差点に進入した時点で、赤色であったのか、判明しないこと、
④加害者側には停止距離等から時速15km以上の制限速度超過があったと考えられること、

2)⇒弁護士は、本来であれば、卒業し、就業できた時期から、実際に、卒業し、就業した時期までは、得られたはずの収入を得ていない以上は、これが賠償されるべきであることを主張しています。

(4)裁判所の判断
1)⇒裁判所は、事故態様として、被害者にも大きな過失が推定されるとした上で、和解案では、過失相殺率を50%に留める認定をしています。

2)裁判所は、休業損害について、1年間は、休業損害の全額を認め、以後についても労働能力喪失率の45%を限度として、400万円の休業損害を認定しました。

3)本件では、被害者側が加入の人身傷害保険に対して2500万円を先行回収しており、和解金2970万円と併せると、9級にしては高額の5470万円の賠償金が実現しています。

(5)NPOジコイチのコメント
1)自賠法では、被害者に不利=加害者に有利な事故状況など、過失相殺事由については、加害者側に、立証責任が求めています。これを自賠3法の立証責任と呼んでいます。
本件においては、加害者側に、十分な立証ができていないことを指摘して、過失相殺率を50%に留めたもので、弁護士の力量が際立っています。

※自賠3法の立証責任
人身事故の被害者が加害者に対して損害賠償請求を行うには、民法709、715条により加害者の過失を立証する必要があるのですが、常識的には、被害者が容易に証明できることではありません。
そこで、
自動車損害賠償保障法3条では、被害者は自動車の運行によって損害が発生した事実を立証するだけとされ、他方、加害者が責任を免れるには、以下の3条件を立証しなければならないとされています。
(1)自己および運転者が自動車の運行に関し、注意を怠らなかったこと、

(2)被害者または運転者以外の第三者に故意または過失があったこと、
(3)自動車に構造上の欠陥または機能の障害がなかったこと、

加害者が賠償責任を免れるには、上記の但し書き3条件を立証しなければなりません。
自動車損害賠償保障法では、加害者に対して無過失責任に近い責任を負わせ、民法の特別法として民法に優先して適用されているのです。
加害者には運転者以外に、運行共用者、保有者も含まれ、責任の主体の範囲が拡大されています。

※民法709条(不法行為による損害賠償)
不法行為による損害賠償の基本原則を定めたもので、故意または過失によって他人の権利または法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。

※民法715条1項(使用者責任)
会社の従業員が業務中に起こした事故について、雇用主に使用者責任があることを定めたもので、ある事業のために他人を使用する者は、被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、使用者が被用者の選任および、その事業の監督について相当の注意をしたとき、または相当の注意をしても損害が生ずべきであったときは、この限りでない。

2)損保が指摘するように、大学の卒業や就職が遅れた理由のすべてが、交通事故に起因している、つまり相当因果関係を有するのかは、争われうる事情となります。

本件では、被害者自身の当時の状況について聴取し、証拠収集することで、丁寧な立証を行った結果、裁判所も1年間については満額を認め、以後についても9級の労働能力喪失率45%で就職が遅れたことによる損害が認められています。

 
 
ジョーク就職面接?

面接官 「信念が時間厳守とは、好感が持てますね!」

俺 「特に、退社時間に関しては、厳格に守るつもりです?」

 

5/27(水)判例45 自転車で横断歩道を進行したときの過失?

判例45 自転車で横断歩道を進行したときの過失?
 
高次脳機能障害7級4号 併合5級 2013年 千葉地裁 和解
 

(1)概要
16歳、高校1年生の女性が自転車に乗り、青信号で横断歩道を横断中、交差点を右折した加害自動車に跳ね飛ばされたもので、自賠責保険調査事務所は、高次脳機能障害7級4号、顔面麻痺を含む外貌醜状で7級12号、併合5級を認定しています。

(2)損保の反論
1)高次脳機能障害について、治療を受けた病院のカルテに、神経心理学的検査の結果などを総括して日常生活に大きな困難がないとの記載がなされていることを指摘し、当該記載は医療機関の行った最終判断であるとして、7級よりも軽い障害であること、

2)被害者は自転車を運転中であり、基本過失割合は15%であり、横断歩道上であることを考慮したとしても、5%の過失相殺が相当であると主張しています。

(3)弁護士の立証
1)本件の後遺障害診断は、主たる治療先ではなく、高次脳機能障害の拠点病院で実施されています。⇒弁護士は、専門医の意見書、家族の陳述書を提出し、神経心理学的検査の結果は、あくまでも補足的なもので、本来、重視すべきなのは、専門医や家族の意見、陳述であると指摘した上で、

①大きな困難がないと評価した病院の検査や評価それ自体に、問題があること、

②この治療先は、高次脳機能障害についての専門的知見が不足していること、
③後遺障害診断を行った治療先は、高次脳機能障害の拠点医療機関となっており、検査や評価の方法も適切であることを立証しています。

2)⇒弁護士は、本件事故の過失割合について、交差点付近における青信号横断の直進自転車と右折自動車の基本過失は15%であることを前提としても、実況見分記録から、加害者には、徐行義務違反が認められることを立証し、過失相殺はなされるべきではないと反論しています。

(4)裁判所の判断
1)⇒裁判所は和解案で、全面的に被害者の主張を採用し、併合5級であることを前提に、逸失利益として、6700万円を認定しています。

2)過失割合では、和解案で、損保の過失の主張を排斥し、被害者の過失を0%としました。

3)自賠責保険の1550万円、調整金500万円と併せて9600万円の損害賠償が実現しました。

(5)NPOジコイチのコメント
1)高次脳機能障害の評価では、非常に高度な専門的知見を必要とし、脳神経外科医であっても、多くの医師は、その知識が不足していると報告されています。
本件においても、被害者について困難はないと評価をした医師の検査などについては、問題があり、高次脳機能障害の拠点医療機関の専門医が行った後遺障害診断の見解が採用されるべきでした。

損保の錦の御旗は、主たる治療先の医師が困難はないと評価していることに注目すべきですが、弁護士は、専門医の意見書で、先の問題点を明らかに立証することで、治療先を評価しています。
医師の資格を有していても、その知見には差があることを立証した結果、裁判所は和解案において、弁護士の主張する全額を損害額として認定したのです。

2)被害者が自転車のときは、青信号横断であっても、裁判例では、なにがしかの過失が認められてしまう傾向にあります。
そんなときでも、実況見分記録をじっくりと分析することで、加害者に、通常想定されている過失の程度を超える問題点があることをしっかりと主張しなければなりません。

 
 
ジョーク見合い話

いい人なんだが、お節介焼きのおばさんが見合い話を持ってきた。
両親不仲で、結婚願望ない私をどうにか結婚させたいおばさん、
①家柄はうちと同等かそれ以上、
②王子様系で優しくて真面目、
③学歴は最低でも慶応卒、収入は30歳までに1000万円を越す人、
④でも、今は20代じゃなきゃ嫌、
なんて、無理難題吹っかけてやった。

説教受けるか、憤慨して帰るかと思えば、「あんた言うねぇ・・・・・」 と大笑い。
一週間後、無理難題を全てクリアした人とデートすることになった。
速効、ふられた。
今日も元気です。

 

5/26(火)判例44 低額な和解案が提示されたとき?

判例44 低額な和解案が提示されたとき?
 
高次脳機能障害5級2号 併合4級 2013年 東京地裁 和解
 

(1)概要
22歳男性会社員が、バイクを運転して直進中、左方路外からの右折車に衝突された事故で、高次脳機能障害5級2号、視野狭窄13級3号で併合4級が認定されています。

(2)損保の反論
1)本件事故における被害者側の道路見通しは、非常に良好であり、制限速度を15㎞以上超過して走行していた被害者の側にも相応の過失相殺がなされて然るべき、

2)被害者が高次脳機能障害5級2号、視野狭窄13級3号で併合4級であることは争わないが、労働能力喪失率を4級相当の92%とすることは相当ではなく、実態に即した判断がなされるべき、

3)被害者が勤務していた会社の賃金体系に照らして、大卒男子平均賃金633万円を基礎に逸失利益を算定するのは不合理であると主張しています。

(3)弁護士の立証
1)⇒弁護士は、被害者の速度超過については、予想であり、立証されていないと反論しています。

2)⇒弁護士は、被害者は後遺障害が原因で勤めていた会社の退職を余儀なくされ、また、視野狭窄の症状についても高次脳機能障害の中で評価し尽くされているとは言い難いことから、併合4級相当92%の労働能力喪失率を認めるべきであると主張しています。

3)⇒弁護士は、被害者は大学卒業後すぐに研究開発本部に配属され、今後も研究開発業務に携わっていくことが見込まれたから、逸失利益の基礎収入は男子大卒平均賃金633万円とすべきであると主張しました。

(4)裁判所の判断
1)⇒裁判所は、本件事故の過失割合について、被害者が速度超過をしていた可能性も否定し得ないことから、和解では、被害者の過失を15%としました。

2)⇒裁判所は、和解案で、損保の主張を排斥し、労働能力喪失率を92%と認めています。

3)基礎収入については、和解案で、弁護士の主張を認め、基礎収入を633万円とし、逸失利益を1億0220万円と認定しています。

4)認定等級は併合4級ながら、和解金は1億2010万円、自賠責保険1713万円を加えると、1億3723万円の賠償金が実現しました。

(5)NPOジコイチのコメント
本件は、当初、裁判所から9100万円という和解案が提示されています。
弁護士は、過失割合などで不満が残る内容であり、和解案を否定するのではなく、追加的な立証を行いつつ、粘り強く主張を続け、調整金の増額などを実現し、結果として、和解であっても、1億3723万円の高額賠償金を実現しています。
民事裁判においては、ほとんどで、協議の途中で裁判所からの和解案が提示されています。
しかし、その内容が適切でないと思われるときは、弁護士には、単に、和解案を否定するのではなく、継続的に立証を続け、訂正を求める努力が求められているのです。
つまり、和解案が示されたら、それですべてが終わりではないのです。
本件は、賠償の中味について争われたのですが、
①逸失利益基礎収入は、大卒平均賃金633万円
②労働能力喪失率は、併合4級に相当する92%
被害者側の請求の全額が認定されています。

 
 
ジョーク彼氏の携帯電話?

私をなんて登録しているのか気になって、彼氏の携帯を見たの?
ハニーとか、○○ちゃんとか、入れ方あるじゃん?
名前でも、ハニーでも出てこないので、番号検索したら、ドンキホーテ三鷹店って出てきた?
私って、ナニ?

 

5/25(月)判例43 高齢者の逸失利益は、減額されるのか?

判例43 高齢者の逸失利益は、減額されるのか?
 
高次脳機能障害3級3号 2013年 東京地裁 和解
 

(1)概要
71歳、兼業主婦が道路の左側を歩行中、後方から直進の自動車に跳ね飛ばされたもので、高次脳機能障害として3級3号が認定されています。

(2)損保の反論
1)被害者は高齢者であり、逸失利益の基礎収入は、女性年齢別平均賃金の70%とすべき、

2)自賠責保険は、被害者の後遺障害等級を3級3号と認定しているが、被害者の高次脳機能障害の程度や日常生活動作の自立度合などに照らせば、5級2号に相当する。

(3)弁護士の立証
1)⇒弁護士は、高齢者であることは、年齢別平均賃金を採用することで、すでに、考慮済みであると主張しています。

2)⇒弁護士は、損保が提出した意見書に対して、主治医の意見書で反論し、損保の主張は、自賠責の等級認定を覆すものには不足していることを立証しています。

3)弁護士は、被害者の日常から、家族介護の日額3500円として、1440万円を請求しています。

(4)裁判所の判断
1)⇒裁判所は、逸失利益の基礎収入について、70%とする根拠が立証されていないとして、損保の主張を排斥しています。

2)被害者の高次脳機能障害の等級については、3級に相当するとしました。

3)将来の家族介護料として、日額3500円、1440万円を認定しています。

(5)NPOジコイチのコメント
頭部外傷の被害者の中に、就労復帰が果たせず、日常生活に家族の介護が必要など、重篤な後遺障害を残している人が存在することが目立つようになって、社会問題となったのは、H10年頃からです。
それから、まもなくして、H13-12、自賠責保険調査事務所の中に、高次脳機能障害委員会が設置されたのですが、今から18年も前のことになります。

H13~14年当時は、審査に当たる調査事務所でも、暗中模索の状態と思われ、被害者側が驚くような上位等級の認定も見受けられたのですが、現在では、申請の書式も整備され、また、画像分析においても、優れた機材やソフトが開発されたなどにより、等級認定の精度は、はるかに向上しています。

しかし、立証の詳細は、現在でもなお、十分に明らかにされておらず、被害者側は、いつでも情報不足で、なにをどのようにして立証すべきなのか、手探りの状態が続いています。

自然の流れとして、立証を治療先の医師に頼ることになるのですが、医師も後遺障害等級の認定実務までは、承知しておらず、どんな検査を行って、なにを記載すればいいのか、理解が進んでいません。
なぜなら、医師は、治すことが仕事であり、治し切れないで残った後遺障害を立証することは、本来の仕事ではないからです。

そんな中、NPOジコイチは、これまでに、被害者から多くの相談が寄せられ、実際に、治療先に同行して、専門医と面談、立証をサポートすることで、さまざまな経験則を積み上げてきました。

間違いのない等級を獲得するには、以下の4つのポイントを押さえなければなりません。
1)頭部外傷後の意識障害の所見 2)傷病名と画像所見 3)症状を立証するに必要な神経心理学的検査 4)家族、学校の担任、勤務先上司や同僚の陳述書

1)2)3)では、当然ながら、立証できなかったときの対処法も知っておかなければなりません。

高次脳機能障害における等級の立証では、交通事故として、また医学的な面においても、専門性の高い知識が求められています。

当然ながら、訴訟解決においても、被害者側の弁護士には、損保の反論を封じ込め、被害者に有利な心証を形成するためには、
1)主治医、専門医に意見書の作成を求めること、同時に、それらのドラフトを作成すること、
2)被害者家族や周辺から、日常の支障を聴き取り、それを陳述書としてまとめること、
3)陳述書でも説明しきれないものは、ビデオ撮影と編集で補うこと、
4)専門性の高い建築設計事務所に、介護住宅の設計と見積りを依頼すること、
5)被害者の居住している地域の職業介護人事務所を訪問、適切な職業介護人を見つけること、
など、等級級認定作業と、ほぼ同レベルの立証が求められています。

NPOジコイチでは、チーム110が、連携弁護士と、ユニットを形成し、一義的には、等級の立証作業を行うとともに、弁護士と協議を重ね、弁護士の指示のもとに、先の立証作業をサポートしています。
チーム110と連携弁護士が、ユニットを形成することで、完璧な立証ができるのです。

 
 
ジョーク素朴な疑問?

幼稚園生の一行が、地元の警察署を見学しました。
署内の掲示板には、指名手配中の凶悪犯10名の人相写真が貼られていました。
一人の園児が写真を指差しながら、「これって、本当に犯人の写真なの?」
警察官 「そうだよ。」
園児 「ふ~ん、なぜ捕まえておかなかったの、この写真を撮ったときに?」

 

5/22(金)判例42 被害バイクが転倒・滑走して、加害自動車に衝突した?

判例42 被害バイクが転倒・滑走して、加害自動車に衝突した?
 
高次脳機能障害3級3号 併合1級 2013年 横浜地裁 和解
 

(1)概要
41歳の男性会社員がバイクで交差点を直進中、対向右折の加害自動車の衝突を受けたもので、自賠責保険調査事務所は、高次脳機能障害で3級3号、視野障害8級相当、嗅覚障害で12級相当、併合1級が認定されています。

(2)損保の反論
1)本件は、右折の加害自動車に、転倒・滑走してきた直進バイクが衝突した事故であり、加害自動車は、右折に際し、バイクの進行を一切妨害しておらず、これに対して、被害バイクは、制限速度を20㎞以上超過したことにより、ハンドル・ブレーキを的確に操作することができず、自ら転倒している。 したがって、その責任の大半は被害者自身にあるというべきである?

2)被害者の入通院のカルテ記載によれば、症状は、現在相当程度回復し、日常生活が自立しているばかりか、軽作業など簡単な就労に就くことさえ可能である。 したがって、将来的な介護が不要であることは言うまでもなく、逸失利益の労働能力喪失率も100%ではないというべきである? いずれも言い掛かりに等しい反論をしています。

(3)弁護士の立証
1)⇒弁護士は、損保が提出の工学鑑定書について、さらに、精度の高い工学鑑定書を提出することで、被害バイクの速度鑑定は、その前提となる摩擦係数、衝突の態様などが、実際の事故とはかけ離れた数値が採用されており、その鑑定結果を信用することはできないことを立証しました。
その上で、被害者の過失割合は20%とするのが妥当と主張しています。

2)被害者の現在の介護状態については、主治医の意見書、家族の陳述書を証拠として提出し、被害者の日常生活動作が自立しているとは言え、自発性の低下、抑うつ状態、人格変化(易努性)などの多種多様な精神障害を呈しており、それらにより、家族を含む周囲の人間のサポートなくして日常生活が円滑に営めなくなっていることを立証した上で、このような高次脳機能障害特有の身体的介護を伴わない看守りや声かけの介護負担について、近親者介護を日額6000円、職業介護人による介護を日額1万円として将来介護料を請求しています。

(4)裁判所の判断
1)⇒裁判所は、過失割合について、損保の主張を排斥し、被害者過失を20%と認定しています。

2)裁判所は、和解案で労働能力喪失率を100%と認定し、損保の主張を排斥、将来介護料は、弁護士の主張を採用し5360万円を認定しました。

3)調整金4220万円を含んで和解金は1億2900万円となりましたが、自賠責保険金3000万円、障害年金など、1050万円、労災保険金2300万円を加えると、総額1億9250万円を実現しました。

(5)NPOジコイチのコメント
1)損保は、被害者のスピード超過により、勝手にハンドル操作を誤って、転倒したものと主張しており、被害者にとって、到底受け容れられない、極めて理不尽なものでした。
さらに、損保は、被害バイクの速度について、高校生が物理で学習する数式を基礎として、不自然な数値と計算方法に基づく鑑定書を提出しています。
弁護士は、精度の高い鑑定書で、損保が提出した鑑定書の誤りを指摘しています。
裁判所も、損保側の鑑定は信用できないと排斥し、被害者の過失を20%と判示しています。

2)将来介護料については、高次脳機能障害に特有の介護の負担を主治医の意見書、家族の陳述書を提出して専門的に立証し、高次脳機能障害3級3号の被害者としては高額な日額1万円、近親者介護は日額6000円の将来介護料を獲得しています。

 
 
ジョークだるまさんが、転んだ?

公園で小学校低学年の子供数人と、飼い猫が、「だるまさんころんだ」 をしていた。
鬼の子が振り向くたびに、猫も動きを止めて、また目をつぶって数を数えると猫も前進、
私はかなり驚いたけど、子ども達は、当たり前のように、猫も仲間に加えていた。

 

5/21(木)判例41 介護費用の適正額?

判例41 介護費用の適正額?
 
高次脳機能障害2級1号 併合1級 2013年 長野地裁 和解
 

(1)概要
76歳、専業主婦の高齢女性が、農業用運搬機を手押ししながら歩いて道路を横断中、直進中の加害自動車に跳ね飛ばされたもので、自賠責保険調査事務所は、高次脳機能障害として別表Ⅰの2級1号、右眼の視力障害で8級1号、右鎖骨の変形で12級5号、右膝関節の機能障害で12級7号、併合1級相当を認定しています。

(2)損保の反論
被害者に相応の介護が必要であることは認めるが、必要な見守り・介助の頻度は、そのときに応じて適宜対応すれば足りる程度のものであり、将来介護費用は、日額4000円あれば十分であると主張しています。

(3)弁護士の立証
1)⇒弁護士は、主治医の意見書、家族の陳述書、職業介護人の陳述書などを証拠として提出し、被害者については、
①日常生活における多くの場面で身体的介助が必要であること、
②また、同居して介護に当たる夫が高齢であること、
これらの事情を踏まえると、その介護負担は非常に重く、一定程度、職業介護人の導入も実施していく必要があり、これまでの実績を基本に、将来介護費用は日額9000円であるとして、総額3090万円を請求しています。

(4)裁判所の判断
1)⇒裁判所は、損保の、そのときに応じて適宜対応すれば足りる程度のものとの主張を排斥し、3090万円の将来介護料を認定しました。

2)被害者過失は30%であり、調整金910万円を含み和解金は4650万円ですが、自賠責保険金2597万円、人身傷害保険金2740万円を加え、総額9990万円の賠償が実現しました。

(5)NPOジコイチのコメント
高次脳で2級1号、併合1級相当の被害者に対する介護費用の適正額が争われた事例です。
損保側からは、顧問医の意見書などで、高次脳で1級1号が認定された被害者と比べて必要な介護の程度が軽いことを強調した反論がなされています。

弁護士は、主治医の意見書、家族の陳述書、職業介護人の陳述書で我々において被害者に対する介護負担の重さを十分に立証しています。
その上で、損保が主張する日額4000円については、その算定基準に具体的な根拠がなく不当であると反論を行い、結果として、将来介護費は、損保主張の2倍以上の日額9000円を実現しています。

本件では、国道を横断した被害者にも30%の過失が認められたのですが、過失相殺分は、人身傷害保険に請求して回収しています。
77歳の高齢女性でも、緻密な立証により、ほぼ1億円の損害賠償が実現したのです。

 
 
ジョーク仕事でインドネシアに行ったとき?

現地の取引先会社の担当者は、浅黒い感じで見るからに東南アジアの人、
「トミーと申します。」 すごく流暢な日本語で自己紹介がなされた。
「日本語がお上手ですね、日本に住んでいたことがあるのですか?」
質問すると、黙って、富井と書いた名刺をくれた?

 

5/20(水)判例40 将来の介護料は、公的扶助でカバーされており、被害者の費用負担は発生していない?

判例40 将来の介護料は、公的扶助でカバーされており、被害者の費用負担は発生していない?
 
高次脳機能障害2級1号 2013年 横浜地裁 和解
 

(1)概要
57歳男性会社員が、道路を横断中のところ、加害自動車が衝突したもので、自賠責保険調査事務所は、高次脳機能障害で別表Ⅰの2級1号、右下肢の短縮で13級8号、併合2級を認定しています。

(2)損保の反論
1)以下の3つを指摘して、被害者過失65%を主張しています。
①被害者は、事故前に飲酒しており、酩酊状態、急性アルコール中毒であったと考えられること、

②横断歩道付近であるのに横断歩道を渡らなかったこと、
③飛び出し横断に該当すること、

2)提訴当時、被害者は入院中で、公的な費用扶助により、ほとんど費用の自己負担をしていないことから、将来介護料について争うと主張しています。

(3)弁護士の立証・裁判所の判断
1)⇒弁護士は、
①裁判例や道路交通法に照らして本件が横断歩道の付近とはいえないこと、
②刑事記録には、酩酊していたとか、飛び出したことなどの記述がないこと、

以上から、損保側の急性アルコール中毒や飛び出し横断については、立証されていないことを指摘するとともに、刑事記録などから、加害者には、制動距離などから導かれる速度からして、時速10km以上の速度違反が認められ、著しい前方不注視などもあったと反論しています。

※横断歩道の付近
道路交通法12条では、歩行者は、道路を横断しようとするときは、横断歩道がある場所の付近においては、その横断歩道よって道路を横断しなければならないと規定しています。
そして、横断歩道がある場所の付近とは、20~30mあるいは20~50mの範囲と諸説がありますが、
S45-8-21大阪高裁判決では、横断歩道から40m離れた地点は、横断歩道がある場所の付近とは言い難いとしており、この判決以降、付近とは、おおむね30m程度と解されています。

2)⇒弁護士は、主治医の意見書、家族の陳述書を証拠として提出し、被害者の後遺障害の内容・程度が相当重度であり、例えば、身体動作として、食物を口に運び、食べるという比較的簡単な食事動作、用意された衣服を着脱する更衣動作でも、介助を要するとされていること、重度の認知障害や人格変化により、常に介護者による見守りが必要な状況であることなどを具体的に主張し、将来の介護料として4600万円を請求しています。

自己負担がほとんど発生していないとの損保の反論に対しては、
①公的扶助は、被害者に対する福祉を目的とするもので損益相殺の対象ではないこと、
②そして、公的扶助は、賠償を受けた時点で、返還を求められるものがあること、
③国の財政事情が不安定であり、将来にわたり、現在水準の公的給付の受給は不確定であること、

などを主張しています。

(4)裁判所の判断
1)⇒裁判所は、和解案で損保の主張を排斥し、被害者の過失割合を35%と認定しています。

2)⇒裁判所は、自己負担がないとの損保の主張を排斥し、過失相殺前で4600万円の将来介護料を認定しました。

3)過失相殺後の損害額は、調整金の1700万円を含み6000万円でしたが、自賠責保険金約3,000万円とあわせて9,000万円の賠償額が実現しました。

(4)NPOジコイチのコメント
1)損保の過失割合の主張に対しては、そもそも被害者側の過失が立証されているのかを念頭においた上で、事故現場に出向いて検証すること、刑事記録などを精査することが重要です。
損保は、多数例で、被害者の過失を立証することなく、根拠のない相殺率を押しつけてくるからです。

2)将来介護料は、将来の費用であることから、主張する金額の負担が発生する蓋然性を被害者側が立証しなければなりません。

※蓋然性とは?
単なる可能性よりも、現実性があることを意味しています。
可能性は、そうなることの確実性が高いときにも、低いときにも用いられます。
可能性がある、なし、だけでなく、可能性が高い、低いという表現も可能です。
それに対して、蓋然とは、必然と偶然の中間に位置しており、蓋然性とは、おそらく、そうなるであろうと予測されるときに、用いる言葉で、あるか、ないか、だけで判断されています。

したがって、将来の介護料の蓋然性を立証するには、主治医の意見書、家族の陳述書などで、現実の介護がどのようなレベルであるかを具体的に立証した上で、この介護態勢を維持するために必要となる費用を明らかにして請求しなければなりません。

本件では、そこまでの費用が発生していないことで、損保が噛みついてきたのです。
しかし、本件の弁護士は、重度後遺傷害時案で多くの経験則を有しており、怯むことなく蓋然性を立証し、公的扶助についても、3つの要点をシッカリ主張することで、損保の主張を排斥したのです。
蓋然性の立証は、経験則に乏しい弁護士では、困難が伴います。

 
 
ジョーク余命?

医者 「非常に残念ですが、あなたの余命は少ししか残されていません。」
患者 「そ、そんな…、あと、あとどの位、生きられるんですか?」
医者 「あと10・・・」
患者 「10? 10何です? 10週間? 10カ月?」
医者 「・・・8・・・7・・・6・・」

 

5/19(火)判例39 アルバイトなら、逸失利益は減額されるべき?

判例39 アルバイトなら、逸失利益は減額されるべき?
 
高次脳機能障害1級1号 2013年 千葉地裁 和解
 

(1)概要
就職活動中の20歳女性アルバイトが、二輪車で直進中、背後から居眠り運転の加害自動車に追突されたもので、自賠責保険調査事務所は、脳外傷による高次脳機能障害と四肢麻痺で別表Ⅰの1級1号を認定しています。

(2)損保の反論
1)被害者は、事故当時、アルバイトを退職する予定となっており、退職予定日以降の休業損害は発生しないとすべきである。

2)被害者の学歴は高卒であり、事故当時もアルバイトとしての就労歴しかなく、就職先を見つけるのは困難であったことから、逸失利益は減額されるべきである。

3)被害者は、いわゆる寝たきりではなく、高次脳機能障害が1級であっても、症状はやや軽めであることから、高額な将来介護費用を認めるべきではない。
なんとも非人道的な主張がなされています。

(3)弁護士の立証
1)⇒弁護士は、裁判判例を証拠提出し、被害者は、事故当時20歳と若く、正社員を目指して就職活動中であったこと、本件交通事故にさえ遭わなければ、就労先が見つかっていたと考えられるところから、被害者には、休業損害の発生が認められるべきであると反論しています。

2)逸失利益の基礎収入については、
①被害者には就労に対する意欲が認められること、
②女子では、賃金センサスの平均賃金額もそれ程高額ではないこと、
③加えて、将来結婚して主婦として家事労働に従事し経済的価値を創出する蓋然性があること、
以上から、逸失利益を減額すべきでないし、賃金センサス・女子の全年齢平均賃金を基礎に逸失利益を算出すべきであると反論しています。

3)主治医の意見書、家族の陳述書を証拠として提出し、被害者の症状は高次脳機能障害に四肢麻痺が併存しており、日常生活上のすべてについて介助が必要であり、常時1名の介護者に加え、随時、もう1名の介護者による介護態勢が不可欠であることを立証し、将来の介護費用について、これまでの実績を踏まえ、退院し、自宅に戻るまでの症状固定後2年間は日額6500円、3年目から母親が67歳になるまでは日額1万8000円、母親が67歳以降は、日額2万4000円、総額1億2980万円を請求しています。

(4)裁判所の判断
1)⇒裁判所は、被害者が相当に重篤な症状であることを認め、症状固定までの休業損害を認定、

2)⇒逸失利益退き粗収入、将来の介護料については、損保側からの追加的な反論はなされず、裁判所は、和解案で弁護士の主張を認めました。

3)調整金4080万円を含み和解金は2億6500万円、自賠責保険金4000万円を加え、3億0500万円の賠償額が実現しました。

(5)NPOジコイチのコメント
交通事故で高次脳機能障害別表Ⅰの1級1号が認定された被害者では、自賠責保険も別表の枠で、常時介護を認めており、現実的にも、全例で常時介護が必要な状況となっています。
ところが、
本件では、遷延性意識障害のように寝たきりでないことを根拠に、損保は、非人道的にも、介護負担は軽度であるとの反論を展開しています。

本件の弁護士は、主治医の意見書、家族の陳述書を証拠提出し、被害者のあらゆる生活動作について必要な介護の内容とその負担の大きさについて丁寧に主張しています。
この結果、介護負担の重大さと手厚い介護態勢の必要性が、裁判所に認められました。

そして、具体的な将来介護費用の算定では、母親が67歳までは日額1万8000円、母親が67歳以降は日額2万4000円、総額1億2980万円の極めて高額な介護費用が認定されています。

損保側から、被害者が高卒アルバイトであることを根拠に休業損害と逸失利益を大幅に減額すべきとの主張がなされたことに対しては、就労意欲のある若年女子に対する裁判実務上の適切な取扱いについて、判例を用いて的確に指摘し、症状固定まで460万円の休業損害と賃金センサスの女子全年齢平均賃金を基礎とした逸失利益が認められました。

 
 
ジョークアダルトビデオ?

アダルトビデオを見ていたら、母親が部屋に入ってきたので、
「なにを作ってるんでしょ~か、子供? 正解!」 と笑ってごまかしたら、
「ごめんな、お前みたいのしか作れなくて?」 と、言われた。

 

5/18(月)判例38 施設介護を前提とした将来介護料を算定すべき?

判例38 施設介護を前提とした将来介護料を算定すべき?
 
高次脳機能障害1級1号 2013年 宇都宮地裁 和解
 

(1)概要
77歳の高齢女性が、自転車に乗り交差点を直進中、左方から貨物トラックに跳ね飛ばされたもので、自賠責保険調査事務所は、高次脳機能障害として、別表Ⅰの1級1号を認定しています。

(2)損保の反論
1)家族は就労しており、被害者を自宅で介護することは現実的ではない。
したがって、施設介護を前提に、将来の介護料を算定すべきである。

2)施設介護を前提とするなら、住宅改造、車椅子使用、介護リフトなどについては、その必要性が認められないと主張しています。

(3)弁護士の立証

1)⇒弁護士は、主治医の意見書、家族の陳述書を証拠提出し、
①被害者と家族が、在宅介護を強く希望していること、
②被害者にとって、在宅介護が最良の介護環境であること、
③在宅介護を適切とする主治医の意見書もあること、
これらを主張した上で、日額1万8000円の将来介護料、5025万円を請求しています。

2)さらに、建築設計事務所の介護住宅改造の意見書に基づき、住宅改造費用990万円を請求、その他の介護に係わる諸費用についても、訪問入浴介護費用980万円、車椅子など福祉器具費用595万円、将来の介護雑費500万円、総額2075万円を具体的に明示して請求しています。

(4)裁判所の判断
1)⇒裁判所は和解案で、弁護士の請求通りを認定しています。

2)調整金1355万円を含む和解金は9100万円ですが、自賠責保険金3329万円が加わり、高齢女性ながら、総額1億2430万円の高額賠償が実現しています。

(5)NPOジコイチのコメント
重度後遺障害の被害者では、在宅介護を提案すると、家族は金銭的な負担と体力的な負担を心配され、躊躇されることがあります。
しかし、裁判では、適切な立証を積み上げることにより、職業介護人を雇うための費用、その他、在宅介護のために必要となる住宅改造費用や各種福祉器具購入費用も賠償上認められているのです。
さらに、賠償とは別に、公的給付も受けることができます。
これらにより、家族は金銭面、体力面の心配をすることなく、在宅介護によって、被害者と一緒に過ごすことが可能となります。

しかしながら、在宅介護の費用は極めて高額となることから、損保とは激しい攻防となります。
損保側の顧問医や工務店などから、意見書が提出され、厳しい反論がなされます。
それらの反論に対しては、将来の在宅介護の必要性や相当性、介護の実態を明らかにし、介護にかかる費用などを丁寧に詳細に立証しなければなりません。
例えば、介護に向けた住宅の改造では、実績を有する建築設計事務所から、どうして、これらの改造が必要となるかなどの意見書を求めて立証することになります。
改造を行った工務店の見積書だけで、介護に向けた住宅の改造費が認められることはありません。

弁護士なら、誰でもできることではありません。

 
 
ジョーク若くて綺麗なヤクルトレディ?

会社に、若くて美人のヤクルトレディが2人で、ヤクルトを売りにやってきた。
「明日から、毎日、売りにきていいですかぁ?」 って言うから
会社の皆は、「もちろん、いいよ、いいよ~」 って言ったら、次の日からオバサンが来た・・・・・
もう、3年にもなる?

 

5/15(金)判例37 症状固定日の異なる2つの後遺障害診断書?

判例37 症状固定日の異なる2つの後遺障害診断書?
 
高次脳機能障害7級4号 2012年青森地裁 和解
 

(1)概要
12歳、小学校6年生の男児が、信号機の設置されていない横断歩道を徒歩で横断中、右方より直進してきた加害自動車に跳ね飛ばされたもので、自賠責保険調査事務所は、高次脳機能障害として7級4号を認定しています。

(2)損保の反論
1)後遺障害診断書が2通あり、最初の後遺障害診断書では、今回申請の1年前に、症状固定との医師の判断がなされており、症状固定日は、被害者の主張する1年前の時期であって、傷害部分の慰謝料は70万円が相当である。

2)交差点上と交差点付近では、被害者の過失は異なるものである。 本件では、交差点付近を横断しており、交差点上ほどの歩行者保護はなされないから、被害者の過失相殺は、25%とすべきであると主張しています。

(3)弁護士の立証
1)⇒弁護士は、高次脳機能障害の症状固定に至るまでの過程、判断の困難性について、1~2年の経過観察無くしては正確な診断ができないとの専門医の意見書を提出し、損保の主張している症状固定日は、最初の治療先が、受傷から6カ月にも満たない時期に作成されたもので、医学的にも失当であると主張しています。

2)損保の主張に対し、弁護士は、現場となった横断歩道の手前には、一時停止線もあり、付近をも含めて横断歩道と同様に歩行者に対する強い保護が働くということなどを指摘しています。

(4)裁判所の判断
1)⇒裁判所は、被害者の過失を10%と認定しました。
被害者主張の症状固定日を採用、傷害慰謝料は、200万円が認定されました。

2)和解金は4700万円でしたが、人身傷害保険金の450万円、自賠責保険金額1051万円を合計すると6201万円の賠償額が実現できました。

(5)NPOジコイチのコメント
高次脳機能障害の診断は、特に専門的な知見を持つ医師であっても容易ではありません。
専門医は、1~2年は経過を見る必要があると考えており、自賠責保険調査事務所であっても、1年の経過を見て症状固定を受け容れています。
本件では、2通の異なる症状固定日が記載された後遺障害診断書が発見されたもので、被害者にとっては、やや不利とも思われる証拠でしたが、1通は、受傷から6カ月の経過で作成されたものであり、損保が主導して作成された経緯もあり、反論は簡単で、適切な賠償につながりました。

 
 
ジョーク ハローワーク?

俺、ずっと引きこもっていたけど、
もう26歳で、親も年だし、このままじゃダメと思って、金曜日にヤングハローワークに行ってきた。
そこで適職診断を受けると、「好奇心旺盛なあなたは、宇宙飛行士に向いています?」
やっぱり、引きこもることにした。

 

5/14(木)判例36 常時介護の必要性は認められず、職業介護人も不要?

判例36 常時介護の必要性は認められず、職業介護人も不要?
 
高次脳機能障害2級1号 2012年 山形地裁 和解
 

(1)概要

6歳の男児が、自転車に乗り、信号機の設置されていない交差点を直進中、対向右折の加害自動車が衝突したもので、自賠調査事務所は、高次脳機能障害として別表Ⅰの2級1号を認定しています。

(2)損保の反論
1)身の回り動作の能力について、大部分介助や全面介助と評価されている項目はなく、身体機能面においても、健常者と変わりはなく、人格変化、認知障害もないとして、常時介護の必要性は認められず、職業介護人も不要である。

2)本件の事故発生状況から、被害者にも30%の過失があると主張しています。

(3)弁護士の立証
1)⇒弁護士は、主治医の診断書、担任教師の陳述書、家族や友人の母の陳述書などを証拠として提出し、10歳となった現在も、身体的機能について問題を指摘されていること、意思疎通の困難や、執着性が見られ、集中力低下や処理能力の低下、対人関係の支障などを緻密に立証し、主張しています。

その上で、高校を卒業すれば、さらに家族の介護負担も増大すること、加えて母親が復職を望んでいることなどを考慮して、介護料については、高校卒業までは休日は日額6,000円、平日は日額2,500円、高校卒業以降、休日は日額6,000円、平日は職業介護人を依頼することで日額1万2000円、母親が67歳以降は、平日・休日とも日額1万2000円、総額で7030万円の将来介護費を請求しています。

2)事故状況については、刑事記録を緻密に分析し、加害者の前方不注視と早回り右折の不適法な運転が事故原因の大半であると主張しています。

(4)裁判所の判断
1)⇒裁判所は、本件事故の過失割合について、弁護士の主張を採用し、被害者10%、加害者90%の過失割合を認定しています。
和解案で、常時介護の必要性を認め、将来の介護料については、弁護士の請求額を認定しています。

2)和解金は、調整金の4500万円を含め、1億4200万円でしたが、訴外で獲得した自賠責保険金3000万円と併せると、総額1億7200万円の賠償が実現しました。

(5)NPOジコイチのコメント
1)どうして、損保が裁判の場で、このような非人道的な主張を展開したのか?
答えは、実に簡単です。 損保は、カルテや診断書などから被害者情報を得ているのですが、それらの記録には、症状が改善していく過程についての詳細が多数記載される傾向にあります。

さらに、診察で実施されているHDS-R(長谷川式簡易知能評価スケール)やMMSEなど、簡単な項目に対する数段階の評価だけでは、被害者に必要な介護、その介護負担の大きさが十分に伝わらないことがあるのです。
カルテや診断書のみの分析で、被害者の実態に迫ることはできないのです。
したがって、本件の弁護士は、主治医、家族だけでなく、担任の教師、被害者の友人の母親にまで範囲を拡げ、しっかりと聴取し、被害者の方に本当に必要な介護の状況を緻密に立証すべく陳述書にまとめ上げて、回収しているのです。
なんども繰り返していますが、陳述書のドラフトは、弁護士がまとめ上げているのです。
経験則に乏しい弁護士に、できることではありません。

2)事故態様についても、刑事記録を精査し、真に非難されるべき事故の原因が、加害者にあることを指摘することで、適切な過失割合の認定を獲得しています。
ここにも、弁護士にはセンスが求められていることが分かります。

 
 
ジョーク 年頃の娘、帰りが遅いので聞いてみた?

父 「お前、男でも、できたのか?」
娘 「そんなの産んでみなきゃ、分かんないよ?」
父 「えぇっ!」

 

5/13(水)判例35 在宅介護は認められず、施設介護とすべき?

判例35 在宅介護は認められず、施設介護とすべき?
 
高次脳機能障害2級1号 2012年 山形地裁 和解
 

(1)概要
信号機の設置されていない交差点において、横断歩行中の77歳主婦を加害自動車が跳ね飛ばしたもので、自賠責保険調査事務所は、高次脳機能障害として別表Ⅰの2級1号を認定しています。

(2)損保の反論

1)損保は、
①主治医が在宅生活は困難と指摘していること、
②社会情勢に照らしても、施設介護の方が充実したサービスを受けられること、
③在宅介護の選択では、介護費用の増額が数千万円にもおよび、経済的にも不合理であること、
上記の3点を主張し、本件では、在宅介護が適切か疑問である。

2)職業介護人を導入しなければ、近親者が仕事を辞めなければならないとの被害者側の主張に対して、そうであるならば、施設介護を選択べきと反論しています。

3)被害者は在宅介護のために自宅を新築しているが、在宅介護に必要な改装の限度でのみ賠償が認められるべきであり、最大でも570万円程度にとどまるものと主張しています。

(3)弁護士の立証
1)⇒弁護士は、主治医の診断書を提出し、在宅生活が困難とは、近親者1人での看護では困難という趣旨で述べたものであることを証明し、損保の判断に誤りがあると反論しています。

2)さらに、主治医の診断書、家族の陳述書、すでに導入している職業介護人の陳述書、介護住宅を手掛けている建築設計事務所の意見書、在宅介護を認定した裁判判例などを提出、裁判実務においても、在宅介護を希望する近親者の心情に対する配慮や患者自身の生活の質の確保を重視し、被害者らの希望を最大限尊重する傾向にあることを指摘、被害者とその家族には、事故以前と同様に、自宅で共に過ごしたいというハッキリとした意思があり、実際上も、在宅介護が実施できる蓋然性があり、在宅介護と職業介護人の導入を相当と認めるべきであると主張しています。

(4)裁判所の判断
1)⇒裁判所は、和解案で、在宅介護を認めることを前提に、住宅改造費用として、損保が主張するほぼ2倍の金額、1100万円を認め、将来介護費用としても5000万円が認定されました。 2)和解金は、6700万円でしたが、人身傷害保険金2860万円を加え、総額9560万円の損害賠償が実現しました。

(5)NPOジコイチのコメント
損保が、在宅介護を否定して施設介護にこだわりを示すのは、特に、植物状態で24時間の常時介護を必要としている遷延性意識障害の被害者で多数例が認められます。
在宅介護と施設介護では、将来の介護費用に3~5倍以上の差が生じており、損保は、負担軽減の必要から、在宅介護は不要であるとして激しく争ってくるのです。

しかしながら、障害者か否かを問わず、すべての人が望むところに住み、望むように社会活動に参加できる社会こそが通常であるとする考え方、ノーマライゼーションの理念に照らせば、経済的に比較して費用が大幅に増加するからといって、被害者や家族が事故以前には当たり前のように選択できた、自宅で、共に過ごす希望が否定されなければならないという理由にはなりません。

※ノーマライゼーション

ノーマライゼーションは、どの人にとっても、当たり前のことを当たり前に、を実現するために、社会の環境側を整備していこうという考えです。
障害者や高齢者が、他の人々と等しく生きる社会・福祉環境の整備、実現を目指す考え方であり、障害の有無にかかわらず平等に人権が保障され、自己のライフスタイルが主体的に選択でき、能力・経済効率主義にくみしない共生社会の模索です。
ノーマライゼーションは、裁判においても、重視されています。

しかし、在宅介護を希望するだけで、その費用が認められるのではありません。
介護施設に入所している状況で訴訟を提起し、自宅介護で将来の介護費用や自宅の改造費を請求したときは、「果たして、本当に、自宅介護が行われるのか?」 やはり、裁判所は、懸念を抱くのです。
ご家族は、自賠責保険金の4000万円を有効利用して、住環境、医療環境、介護環境を整備し、裁判が始まる前に自宅介護をスタートさせることを考えるべきです。

NPOジコイチでは、自宅の改造を含め、在宅介護の事案を数多く経験してきました。
訴訟において、これらを立証することを含め、被害者家族をサポートしていくことができます。

 
 
雑学  Hを色で表現すると?

日本はピンクですが、アメリカ⇒青
アメリカでは、Blueには、青色以外に、猥褻なという意味もあり、アダルト映画のことは、Blue film、日本で言う下ネタは、Blue jokeと言います。
ピンクは赤ちゃんの肌の色を連想させ、健康な色という意味で使われることが多いのです。

中国⇒黄色
黄色は、中国語では、堕落する、猥褻という意味があります。 アダルト映画は、中国語では、黄色電影となり、Hな書籍は、黄色書簡となります。 ピンクは、恋愛を表現する色であり、ポジティブなイメージとして使われています。

スペイン⇒緑
スペイン語では、緑を緑色と、卑猥なという意味の2パターンで使い分けています。
アダルト映画は、緑の映画、エロ本は、緑の本と呼ばれています。

フランス⇒白もしくはピンク
フランスでは、白はセクシーさの象徴とされており、娼婦は、白のハイヒール、スカート、バッグを好んで身につけていると言われています。
ただし、白はあくまでセクシーさという意味で使われており、アダルト・ポルノなどを直接表現する言葉は日本と同じくピンク(rose)となります。
日本における純白は、純真無垢であり、フランスとは真逆の解釈となります。

イタリア⇒赤
イタリアでは、赤がいわゆるエッチな色に該当します。
正確には、赤い光と表現し、アダルト映画は、film rossoと呼ばれています。
なお、赤いマークのついた映画やテレビは大人が見るものとされています。
イタリアでピンク(rosa)は、中国に同じく、恋愛を意味する色となっています。

 

5/12(火)判例34 人格の変化による社会適合性、協調性の欠如?

判例34 人格の変化による社会適合性、協調性の欠如?
 
高次脳機能障害3級3号 併合2級 2012年 広島地裁 和解
 

(1)概要
一部上場企業に総合職で勤務する22歳女性が自転車で交差点を直進中、左方から交差点に進入してきた加害自動車に跳ね飛ばされ、高次脳機能障害で3級3号、耳鳴りで12級相当、嗅覚障害で12級相当、併合2級が認定Ⅷされています。

(2)損保の反論
1)事故の発生した現場交差点は、加害自動車の幅員が明らかに広く、被害者には、特に注意して交差点に進入する義務があり、30%の過失相殺をすべきである。

2)被害者は、事故後もアルバイトをしていること、パソコン教室にも通学していることから、高次脳機能障害の等級は、せいぜい7もしくは9級が妥当と判断されるもので、将来の介護料は不要であると主張しています。

(3)弁護士の立証
1)⇒弁護士は、刑事記録から、事故現場交差点の道路幅員は、被害自転車側と加害自動車側とで大差はなく、加害者側進路の方が明らかに広いとの損保側の主張は失当であって、不合理である。
したがって、被害者の過失割合は、別冊判例タイムズ38の基本過失割合に照らし合わせると20%が妥当であると主張しています。

2)弁護士は、主治医の診断書、家族の陳述書を提出し、被害者は、高次脳機能障害のため人格が激変していること、試しに始めたアルバイトも3日しか続かなかったこと、パソコン教室でも感情を抑制できずに退校を余儀なくされたことなどから、被害者が将来的に就労不可能であることは明白であり、被害者の高次脳機能障害は、7、9級が妥当ではなく、正しく3級3号であって、将来にわたり、介護が必要な状況であることを立証、将来の介護料として、日額5000円を請求しています。

(4)裁判所の判断
1)⇒裁判所は、本件事故の過失割合について、損保の主張は、道理を得ていないと排斥し、被害者の過失割合を20%と認定しました。

2)和解案で、高次脳機能障害の等級を3級3号であること、将来の介護料として日額5000円、2420万円を認定しました。

3)和解金は9800万円でしたが、人身傷害保険金3000万円、自賠責保険金の2590万円と併せて1億5390万円の損害賠償額が実現しました。

(5)NPOジコイチのコメント
交通事故による高次脳機能障害では、自賠責保険で認定された等級について、隠し撮りビデオ映像などを添付して、損保が争ってくる事態をしばしば経験しています。
本件でも、自賠の3級3号の認定に対し、損保は、実際の等級はもっと軽く、将来の介護費用は不必要であると反論しています。
しかし、
被害者の障害が人格の激変に基づく社会適合性や協調性の欠如であることは、自賠責保険に提出の後遺障害診断書、神経系統の障害に関する医学的所見、日常生活状況報告に記載されており、自賠責保険の等級認定の通知書でも、それらが重視されていることが理解できるのです。
それらの書類をじっくりと読み込み検証を行えば、上記のようなトンチンカンな反論はできない筈です。

本件の弁護士にしてみれば、待ってました、それ見たことか、そのような反応だったと予想しています。
追加的に主治医の診断書、家族の陳述書を提出し、人格の激変に基づく社会適合性や協調性の欠如、介護負担の重さなどの実態を明らかにして、3級3号が適正な認定であることを立証し、将来の介護費用として日額5000円、2420万円の介護費用を請求したのです。
当然のことに、裁判官の心証は被害者側に傾き、損保の主張はすべて排斥されました。

こんな争いで、事故から判決まで7年6カ月が経過したことにより、和解ではありましたが、6000万円に届く遅延損害金が調整金の名目で認められました。
当初の主張は、全面否定の勢いでしたが、損保にとっては、踏んだり蹴ったりの和解となりました。

 
 
雑学  デーモン小暮閣下に子供が生まれる?
レポーター 「お子さんには、やっぱり、悪魔ちゃんって名前つけるんですかぁ?」
閣下 「つける訳ねーだろ、アホが、お前は自分のガキに、人間って名付けるのか?」
・・・・・閣下、お見事、一生付いて行きます
 

5/11(月)判例33 児童の高次脳機能障害は、将来改善する?

判例33 児童の高次脳機能障害は、将来改善する?
 
高次脳機能障害2級1号  2012年 富山地方裁判所 和解
 

(1)概要
4歳の男児が、信号機の設置されていない交差点を横断歩行中、直進してきた加害自動車に跳ね飛ばれたもので、自賠責保険調査事務所は、高次脳機能障害として別表Ⅰの2級1号、正面視の複視で10級2号を認定しています。

(2)損保の反論
被害者の高次脳機能障害は将来、一定程度回復する可能性があり、公共サービスによる支援も受けられることから、将来の介護費用は少なめに計算すべきであると主張しています。

(3)弁護士の立証
1)⇒弁護士は、家族が加入の人身傷害保険に先行請求し5530万円と自賠責保険に対する被害者請求で3000万円、小計8530万円を獲得した上で、損害賠償請求訴訟を提起しています。
裁判では、主治医の診断書と家族の陳述書を提出、被害者の後遺障害による日常生活状況を明らかにした上で、将来の介護費用として、高校を卒業後、母親が67歳になるまでは日額9000円、母親が67歳以降は、日額1万円を請求しています。

(4)裁判所の判断
1)⇒裁判所は、和解案で、損保の、将来、一定程度、回復する可能性があるとの主張について、根拠に乏しく立証もなされていないと排斥し、弁護士主張の、将来の介護費用、6530万円を認定しました。

2)和解金は1億0040万円でしたが、自賠責保険金3000万円、人身傷害保険金5530万円を併せると1億8750万円の損害賠償が実現できました。

(5)NPOジコイチのコメント
損保は、特に根拠を示すことなく、児童の高次脳機能障害に対して、成長に伴って、脳機能も発達することが予想され、高次脳機能障害が改善する可能性があるとの反論を頻繁に行っています。
本件においても、損保は、この反論を持ちだし、将来の介護費用を争ってきました。

損保側は、言いたい放題で、特別、根拠を明らかにする必要もありません。
ところが、被害者側の弁護士は、法廷で改善する可能性がないことについて、主治医や専門医の医証を添付して立証しなければならないのです。
これらの立証を疎かにして、赤本の判例から、児童、別表Ⅰの2級1号で獲得した将来の介護料を請求しても、それが認められることはありません。
ですから、弁護士選びを間違えることは、あってはならないのです。

 
 
雑学  どうして、女性週刊誌にはSEX記事が多いの?
男性週刊誌には、女性のヘアーヌードがつきものですが、では女性週刊誌は品行方正なの? 
とんでもありません。
男性のグラビアヌードはありませんが、男性週刊誌も真っ青のSEX記事が氾濫しているのです。
女性も好き者であることの証明ですが、写真ではなく記事が主体であるのはどうしてか?
写真と記事、それぞれ興奮する男女の割合を調査すると?

 

男性

女性

写真

20%

12%

記事

19%

28%

女性は、文章を読んで想像力を膨らませることで興奮する傾向にあるとのことです。
男は、具体的なものに興奮し、女は、抽象的なものに興奮する?
ことSEXに関しては、女性の方が、はるかに高度な頭脳を持っていると考えられるのです。

 

5/8(金)判例32 出血性ショックによる低酸素脳症、虚血性視神経症?

判例32 出血性ショックによる低酸素脳症、虚血性視神経症?
 
高次脳機能障害1級1号 2012年 名古屋地裁 和解
 

(1)概要
42歳の男性会社員が原付を運転して信号機の設置されていない交差点を直進中、交差道路を直進中の相手自動車と出合い頭衝突したもので、自賠責保険調査事務所は、高次脳機能障害として別表Ⅰの1級1号を認定しています。

(2)損保の反論
1)本件は、直進車同士の出合い頭衝突であり、被害者にも過失が認められること、

2)視力および視野障害については、自賠責保険調査事務所の等級認定で、事故との因果関係が否定されており、本件事故による後遺障害とは認めることはできないこと、

3)被害者の脳に直接のダメージはなく、後遺障害として高次脳機能障害は認められないこと、

4)被害者は、入院中のADL、日常生活動作が自立しており、将来介護料は認められないなど、自賠責保険調査事務所が別表Ⅰの1級1号と認定した高次脳機能障害を全面的に否定しています。

このことは、損保と損保側の弁護士が低酸素脳症を理解していなかったことによる失態であり、裁判の場で全面否定など、猛省すべきです。

(3)弁護士の立証
1)⇒弁護士は、過失割合について、加害者側に一時停止義務違反が認められ、加えて、歩行者専用規制時間中に走行していることを考慮すると、被害者の過失は0%であると反論しています。

2)視力・視野障害については、入院中のカルテ、主治医の診断書、神経眼科医の意見書などにより、本件事故により、被害者には、多発骨折などに伴う出血性ショックを発症したこと、結果、血液供給が低下し、低酸素脳症、虚血性視神経症が発生したと認められるところから、視力および視野障害そして高次脳機能障害はいずれも事故と因果関係がある後遺障害であると反論しています。

3)主治医の診断書、家族の陳述書などを提出、被害者の後遺障害は、別表Ⅰの1級1号である高次脳機能障害に加えて、3級に相当する重度な視力・視野障害があり、将来介護費用は、近親者介護日額1万円、職業介護日額2万円とするのが相当であると立証し、主張しています。

(4)裁判所の判断
⇒裁判所は、和解案で、被害者の過失を0%と認定しました。
視力・視野障害を本件交通事故によるものと、因果関係を認め、3級相当であると認定しています。
弁護士の主張するやや高額な将来介護料をそのまま認定しました。

(5)NPOジコイチのコメント
本件は、頭部外傷ではなく、事故後の低酸素脳症により高次脳機能障害となった事案です。
傷病名では、肺脂肪塞栓または脳脂肪塞栓後、高次脳機能障害となるものです。

自賠責保険調査事務所は、低酸素脳症の合併による高次脳機能障害として、別表Ⅰの1級1号を認めておきながら、視力と視野障害は、事故との因果関係を否定するちぐはぐな認定となっています。
後遺障害診断書段階での立証不足と思われますが、おそらく弁護士は、本体で別表Ⅰの1級1号が認定されており、異議の申立に時間をかけるよりも、裁判所段階の立証でカタがつくと考えたのでしょう。

NPOジコイチでは、これまでの経験則から、肺脂肪塞栓または脳脂肪塞栓後に伴う低酸素脳症では、高次脳機能障害以外にプルチェル網膜症(外傷性網膜症)など眼の症状に注意を払っています。

 
 
雑学  氷の島がグリーンランド?
デンマーク領、グリーンランドは北極圏に位置し、陸地の83%は氷に覆われているのですが、なにゆえ、グリーンランド(緑の島)なのか? 
これはこの島の発見者が多くの開拓者を誘致する目的で大嘘をついたのが発端となっています。
その手法は、現在の不動産屋にシッカリ受け継がれており、「美しが丘」「富士見台」「群馬県の北軽井沢」なんて乱発されています。

最近、アメリカのトランプ大統領は、買収の合法性に加えて、自治政府が存在する島を購入する場合の手続きについて調査するよう周辺に指示したとのことで、興味を示していることが話題となりました。

サントリーのCMに、「京都郊外の山崎から湧き出る石灰質に富んだ水を利用して・・」 というのがありましたが、これは大阪府島本町が正式な呼び名となります。
ちょっと値段の高い、「山崎」 は、実は、大阪郊外、島本町の水で作っているのです。
地続きではありますが、京都郊外の山崎は、間違った説明なのです。

 

5/7(木)寄り道 自賠責保険のおさらい 自賠法の目的と運用?

寄り道 自賠責保険のおさらい 自賠法の目的と運用?
 

自賠責保険の限度額は、治療を終えるまでの傷害部分では、120万円と決められています。
30歳の主婦、頚部捻挫では、およそ4カ月間の治療で限度額を突破することになります。
頭部外傷と下肢の開放性骨折で、緊急手術が行われたものでは、1日の治療費が600万円も経験しており、120万円は、最低限の対人賠償保険であると理解されるべきものです。

ところが、自動車損害賠償保障法、自賠法により、対人賠償保険の骨格が細かく規定されています。 細かな規定は、そのまま任意保険の対人賠償保険にスライドされており、交通事故にあっては、後遺障害認定基準も含めて、自賠法がバイブルとなっているのです。

自動車損害賠償保障法の目的と運用=被害者救済
自動車損害賠償保障法1条は、自動車の運行により不可避的に発生する自動車事故の被害者の保護を図ることを第一の目的とし、社会生活上不可欠の輸送手段である自動車運送の健全な発達に資することを第二の目的としており、自賠責保険やGiroj調査事務所を理解する出発点となります。
やや白々しい文章ですが、シッカリと理解しておきましょう。

※自賠法2条1自動車とは?
道路運送車両法2条2によれば、自動車とは、原動機により陸上を移動させることを目的として制作した用具で、軌道もしくは架線を用いないもの、またはこれにより牽引して陸上を移動させることを目的として制作した用具のことと規定されています。
つまり、動力で走行するもので、電車、モノレール、ケーブルカー、トロリーバスは除かれますが、レッカー車は、含まれています。
ただし、自賠法2条1では耕耘機、自賠法10条で道路以外の場所のみで用いられる自動車、例えばフォークリフトは対象外とされており、自賠責保険の契約が強制されていません。
国道脇を走行する耕耘機には近づいてはなりません。

※自賠法2条2運行とは?
人またはモノを運送するとしないにかかわらず、自動車を当該装置の用い方にしたがい、用いることとされています。S50年代、当該装置とは原動機そのものと理解されていましたが、S52-11-24最高裁判例は、クレーン車のクレーン、S57-1-29、S63-6-16最高裁判例は、ダンプカーのダンプ装置、トラックの側板、後板、ドアなど、その自動車の固有装置は当該装置に該当し、自動車の運行とは、自動車の構造や存在自体からもたらされるものであると判示がなされ、その範囲は拡大されています。

NPOジコイチの経験則でも、
①発電機をトラックから降ろし、トラックで牽引して工場に設置する作業中に、トラックの荷台のロープを留めるフックが引きちぎれ、作業員の頭部を直撃、作業員が即死した事故、
②工事現場でユンボを積載した大型トラックが、このユンボを降ろす際に、足場が悪くトラックが左右に大きく振られ、これを見分中の建設作業員に激突し、死亡した事故、
③一戸建住宅の建設現場の崖上道路から材木を降ろしていたクレーン車が、材木ごと崖下に転落し、崖下で作業を指揮していた大工さんが即死した事故、 これらが自動車の運行に起因した事故として、自賠責保険の支払がなされています。

 
 
雑学  スイス銀行って? 

ゼロックスに入社した頃、海外事業部に丸紅飯田から転職された「物知り」がおられました。
その人の説明によれば、スイスにはおよそ630の大小様々な銀行が存在しているとのことです。
顧客は持ち込んだお金をこれらの銀行に預金するのですが、金利は付きません。
お客さんは持ち込んだお金を一旦スイスフランに替えて預金します。
当時、スイスフランは通貨としては変動性に乏しく、長期安定通貨の座を誇っていました。
狭い国土で永世中立、手堅く運営をしていますのでバブルなんて生じる余地がなかったのです。

お客様は必要に応じて預金を引き出すのですが、米ドルに対して常に高いレートを維持しておりますから、換金すると実勢は増えているのです。
このスイス銀行が有名になったのは、第二次世界大戦以降、その徹底した秘密厳守の姿勢です。
これを理由に、世界のブラックマネーが大量にスイスの各銀行に流れ込んできたのです。
しかし、1990年、組織犯罪に関する預金に関しては秘密を守秘しないとの法律を制定しました。
現実には、怪しげなスイス銀行は存在しなくなったのです。 もっとも、私はスイスさえ行ったことがありません。
ショボイ預金は京都中央信用金庫にお願いしており、そこから相手にされることもありません。

 

5/1(金)判例31 被害者を発見した地点、危険を感じた地点、衝突をした地点?

判例31 被害者を発見した地点、危険を感じた地点、衝突をした地点?
 
高次脳機能障害1級1号 2012年 名古屋地裁 和解

(1)概要
男子中学生15歳が、青信号で自転車を運転し、交差点の横断歩道を横断中、同じく青信号で交差点を左折してきた加害自動車に跳ね飛ばされたもので、被害者は高次脳機能障害で、別表Ⅰの1級1号が認定されています。

(2)損保の反論
1)被害者は退院後、障害者福祉施設で作業をしており、他の利用者や職員と雑談に興じたりすることも認められるところから、一定の労働能力を残しており、逸失利益の算定では、労働能力喪失率を100%とすることは認められない。

2)被害者に、職業介護人は必要なく、家族が限定的に介助するだけで十分である。 以上から、将来介護費用は日額2000円とすべきである。

3)本件は、双方青信号での交差点における直進自転車と左折自動車の衝突事故であり、被害者にも、左折してくる自動車の動向を十分に注意しなかった過失が認められるので、15%の過失相殺を行うべきであると主張しています。

(3)弁護士の立証
1)⇒弁護士は、

①福祉施設の了解を得て、作業の模様をビデオで録画し、20分に編集したもの、
②施設内で被害者を保護、監督している施設職員の陳述書、
③福祉施設の作業内容を説明したパンフレット、

これらを提出した上で、障害者福祉施設での作業は一般的な就労とは全く異なるものであって、福祉的な観点から職員の保護を受けながら作業をしているものであること、 他の利用者との雑談も、すぐに終わってしまう程度のもので、とても、実質的に対人関係を維持するものではなく、被害者に、その能力は認められないことを立証し主張、よって、被害者は、高次脳機能障害のため労働能力を100%喪失していると結びました。

2)主治医の診断書、家族の陳述書を提出し、被害者には、常時の見守り、声掛けを始めとする介助が必要な状況であることを立証、将来介護費用は、福祉施設に通所の症状固定後5年間は、日額6300円、6年後~母親が67歳になるまでは日額1万5000円、たたし、母親が仕事を休む土日・祝日は6300円、母親が67歳以降は日額1万7000円、総額8340万円の介護費用を請求しました。

3)実況見分調書から、被害者は、事故当時、横断歩道上を横断していたこと、加害者は、被害者を発見した地点、危険を感じた地点、衝突した地点が同じと供述しており、衝突して初めて気がつく著しい前方不注視が認められ、これらを総合すると、被害者の過失は0%であると主張しています。

(4)裁判所の判断
1)⇒裁判所は、和解案で、損保の主張を排斥し、被害者過失を0%、将来の介護料についても弁護士の請求額を認定しています。

2)自賠責保険金4000万円を加え、総獲得額は2億5100万円の総損害額を実現しました。

(5)NPOジコイチのコメント
1)自賠責保険でも、高次脳、別表Ⅰの1級1号では、常時介護が必要であることを認めています。
これまでの経験則でも、別表Ⅰの1級1号では、常時介護が絶対に必要な状況でした。
ところが、本件では、被害者が通所の福祉施設での活動を根拠として、常時の介護は不要であり、職業介護人の必要性もなく、家族が限定的に随時介助するだけで十分であり、将来介護費用は日額2000円で事が足りるなど、非人道的とも思われる主張がなされています。

これらの主張に対して、弁護士は、施設内のビデオ撮影、施設職員の陳述書、主治医の診断書、家族の陳述書などで、現状を完璧に立証し、損保に対しては大反論を試みています。
裁判所は、勝負ありで、損保の主張のすべてを排斥しました。 書いてしまうと簡単なようですが、どの弁護士にもできることではありません。

2)警察の事故係は、両当事者に対して、
①相手を発見した地点は?
②危険を感じた地点は?
③衝突をした地点は?
これらを確認し、交通事故現場見取図と実況見分記録に表示しています。
①②③の地点がすべて同じであれば、衝突して初めて気がついたことになり、著しい前方不注視となります。
本件は高次脳であり、被害者の供述はありません。

 
 
雑学  近所のスーパーで入った店内放送?

「お客様の、お呼び出しを申し上げます。
○○のお車でお越しのお客様、運転席で、ワンちゃんがクラクションを鳴らしながら、お待ちです。
お早めに、お車までお戻りください!」

その途端、えらい勢いで、レジに走っていく、おばちゃん居たから、多分あの人の犬なんだろう・・・・・?