9/30(水)※損益相殺とは

※損益相殺とは
交通事故被害者にとって、過失相殺と損益相殺は、耳を塞ぎたくなる単語です。
なぜなら、いずれも、損害賠償額からカットされるもので、被害者が受け取る損害賠償額に大きな影響を与えるからです。
損益相殺は、加害者の負担と被害者の利益が公平でバランスの取れたものとなるように、慣習的に守られている法律的な考え方ですが、ざっくばらんには、「焼け太りは、許しませんよ?」
被害者が損害分を超える、過剰な利益を得るのを防ぐことを目的としているのです。

損益相殺の対象となるもの

損益相殺の対象とならないもの

①受領済の自賠責保険金

①自損事故保険金

②受領済の政府保障事業による填補金 

②搭乗者傷害保険金※

③労災保険法に基づく給付金

③生命保険金※ 

④厚生年金保険法に基づく給付金

④傷害保険金 

⑤国民年金法に基づく給付金

⑤労災保険上の特別支給金※

⑥健康保険法に基づく給付金

⑥社会儀礼上相当額の香典・見舞金 

⑦地方公務員等共済組合法に基づく給付金

⑦身体障害者福祉法に基づく給付

⑧所得補償保険金※

⑧自動車事故対策機構法に基づく介護料※

⑨人身傷害保険からの支払い

⑨生活保護法による扶助費

 

⑩雇用対策法に基づく職業転換給付金

 

⑪特別児童福祉扶養手当

②搭乗者傷害保険金
加害者が契約する搭乗者傷害保険についても、最判 H7-1-30判時1524号48頁は、損益相殺の対象とはならないとしていますが、下級審の裁判例においては、加害者が保険料を負担して賠償がなされたことなどを理由に、慰謝料を減額するものがあります。
(名古屋地判 H4-5-11判タ794号139頁など。)

③生命保険金 (最判昭和39年9月25日民集18・7・1528)
払込保険料の対価たる性質を有し、被保険者の死亡に基づいて支払われるので控除されません。
ところが、保険料を負担して加入していても、所得保障保険では、損益相殺の対象となっており、ここが理解できないところです。

⑤労災保険上の特別支給金(最判平成8年2月23日判時1560・91)
休業特別支給金、障害特別支給金、障害特別年金、遺族特別年金などの特別支給金では、労働者福祉事業の一環として支払われるもので、損害額から控除されません。

⑧独立行政法人自動車事故対策機構法に基づき支給される介護料
被害者の負担軽減を目的とするものであり、損益相殺の対象にはなりません。

1)損益相殺と過失相殺の順序
過失相殺と損益相殺の計算順序による賠償金の違い?
減額手続きが、どちらが先に行われるかで受け取る賠償の金額が変わってきます。
例えば、損害賠償額が1000万円、過失が30%、損益相殺される金額が300万円あったときの受取金額を、それぞれについて計算してみます。

①過失相殺を先に行ったとき、過失相殺後控除説
1000万円×(1-0.3)-300万円=400万円、受け取れる損害賠償金は400万円です。

②損益相殺を先に行ったとき、過失相殺前控除説
(1000万円-300万円)×(1-0.3)=490万円、受け取れる損害賠償金は490万円です。

計算例からも分かる通り、同じ過失割合、同じ損益相殺額であっても受取金額が変わります。
被害者としては、過失相殺前控除説の方が多くの金額をもらえるのです。

2)過失相殺と損益相殺はどちらが先に行われるのか
受取金額の計算は、過失相殺後控除説で行われるのが原則です。
その理由は、1000万円の損害賠償額に対して30%の過失があるのなら、1000万円の30%は被害者であっても負担すべきと考えられるからです。
もし逆に計算が行われると、1000万円から300万円の損益相殺が行われてから、過失相殺されるので、本来であれば1000万円の3割を被害者が負担しなければならないのに、700万円の3割しか負担しないで済むことになるからです。

自賠責保険金や政府保障事業填補金、年金給付金は過失相殺の後に、
健康保険給付金は過失相殺の前に損益相殺され、
労災保険給付金は判例でも決まっておらず、ケースバイケースで処理されています。
しかし、労災保険金のすべてが損益相殺の対象となるわけではありません。
例えば、労災保険には障害年金のように継続的な給付を内容とするものもあります。
損益相殺の対象となるのは、労災保険から現実に支給された額と、現実には支給されていないものの支給が確定した額だけであり、将来支払われる予定の未払い部分までが損益相殺されることはないというのが裁判例の考え方です。

 
 
ジョーク 猫とおばあさん

オス猫を膝にのせたお婆さんが居眠りをしていると、魔法使いがやってきました。
「やあ、俺、魔法使い、3つのお願いをかなえてあげるよ!」
「あっちへお行き、年寄りをからかうのはやめとくれ!」 お婆さんは言いました。
「お婆ちゃん、俺、本当に魔法使いなんだよ!」
「じゃあ、向かいの畑のカボチャを金の馬車にしてごらんよ!」
「ああいいとも!」 
魔法使いが杖を振ると、カボチャはたちまち馬車になりました。

これを見て、お婆さんは急にやる気を出しました。
「私を、若くてきれいなお姫さまにしておくれ!」
「いいとも!」 魔法使いが杖を振ると、お婆さんは美人のお姫さまになりました。
「つぎはなに? 最後のお願いだよ!」
「私の猫ちゃんを、ハンサムでお金持ちの王子さまにして!」
魔法使いが杖を振ると、猫は、凜々しい王子さまになりました。
「お願いはこれで終わり、じゃあね!」 
魔法使いが帰ってしまうと、王子さまはうっとりしているお姫さまの手をとって、耳元にささやきました。

「去年、動物病院で私を去勢したのを、今じゃ後悔してるんじゃないかい?」

 

9/29(火)3.損害賠償請求訴訟確定までの工程表

3.損害賠償請求訴訟確定までの工程表

工程表

項目

内容

1

 

当初、ご家族は、交通事故の発生に驚愕し、治療先のICUに駆けつけるも、狼狽えるばかりで、なにも考えられない、手がつかない状態です。
事故の事実を受け入れ、比較的、落ち着きを取り戻すのは、受傷から1カ月を経過した頃ですが、まず、最初に手掛けるのは、弁護士への委任です。

2

3

弁護士委任

弁護士とは、綿密に協議し、以下の介護計画を立案して具体的に進めることになります。
これらに対応できない弁護士であれば、委任してはなりません。

4

5

6

成年後見の申立

被害者が成人では、家庭裁判所に成年後見審判の申立をします。
これにより、2カ月も経過すれば、いつでも訴訟の提起が可能になります。

7

身体障害者手帳

居住地の市区町村の窓口に、身体障害者手帳を申請します。
遷延性意識障害では、身体障害者1級が認定され、この結果、症状固定で治療費が打ち切られても、1カ月、500円の負担、もしくは全額を国庫負担で治療を続けることが可能となります。

8

 

 

 

介護体制

 

 

 

 

①医療体制
地元の医師会に出向き、往診可能な医師の紹介を求めます。
その後、治療先で紹介を受けた医師と面談、6カ月後から、週に2回の往診を依頼します。
複数の職業介護人の派遣事務所を訪問、介護の内容、料金などを質問し、パンフレットを回収、介護人の性格や力量などが遷延性意識障害者や家族と合うかどうかを検証して、1社を選択します。
訪問入浴介護サービスも、先と同様に、複数を打診して決定することになります。訪問看護は、現在の入院治療先に相談して、決定します。

②介護住宅の改造計画と見積
遷延性意識障害者にとって安全で、一緒に暮らす家族にとって、介護しやすい改造を目指すのですが、弁護士を含め、理学療法士や作業療法士など要介護者の身体機能に精通した専門家、業者を交えて、住宅改造計画、資金計画を立案します。

③介護技術の研修
家族介護者は、現在の治療先にお願いし、食事、痰の吸引と口腔のケア、排尿と排便、褥瘡のケアなどの研修を受けて、介護技術を修得します。

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11

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症状固定の決断

①後遺障害診断を受け、弁護士委任による被害者請求を行います。
②住宅の改造に着手します。

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自賠責保険金

①およそ40日後、1級1号が認定、4000万円が振り込まれます。
②介護機材の搬入と設置を行います。
③主治医の許可
主治医に介護計画書を提出し、医療体制、住宅の改造、介護体制が整備されたことを報告、自宅における介護の許可を書面で得ておきます。

14

 

自宅介護の開始

治療先を退院、自宅介護が始まります。
家族介護者が就労しているときは、月~金の240日間を職業介護人による介護、土日・祝日の125日間は家族による介護のシフトとなりますが、介護をしている家族にも休養が必要であり、年間で30日以上は、レスパイトとして、職業介護日数に上乗せしなければなりません。

15

NASVA

 

 

福祉

 

訴訟の提起

症状固定後は、裁判で損害賠償額が確定するまで、およそ1年間について諸費用の内払いはなく、堪え忍ばなければなりません。
自賠責保険からは4000万円の振込がなされていますが、一部は、住宅の改造費で出費しています。

①そこで、独立行政法人 自動車事故対策機構に介護料を請求します。
職業介護人に支払う介護料、訪問入浴、訪問看護、訪問リハビリ、介護用品の費用などは、自動車事故対策機構に領収書を提出すれば、毎月、6万8440円~13万6800円の範囲内で補助を受けることができます。
これらの支給金は、裁判で損益相殺※の対象となりません。

居住地の地方自治体も独自の福祉プランを用意しています。
これらの利用も、裁判では損益相殺の対象となりません。

①介護計画書
自宅の改造、介護機材の購入、介護体制は、介護計画書で立証します。
②日々の介護の状態は、家族の陳述書で立証します。
③自宅介護を認めた主治医の意見書も用意しています。

あとは損保側の反論に対して、追加の立証をしていくことになります。
自宅介護を続けながら、裁判における弁護士の立証に協力していきます。

 
 
ジョーク 川で溺れる?

川で、日本人が溺れていました。
急いで助けると、「ありがとうございます、あなたは命の恩人です。」大変感謝され、お礼に彼が持っていた荷物の一部をプレゼントしました。

川で韓国人が溺れていました。
急いで助けると、「なんで、もっと早く助けない、荷物が流されてしまったので、謝罪と賠償を要求する!」 罵倒され、持っていた荷物を奪われてしまいました。
後になって、韓国人は最初から荷物を持っていなかったことが判明しました。

 

9/28(月)※意識が戻る可能性について

※意識が戻る可能性について

國學院大學人間開発学部初等教育学科教授 柴田 保之先生は、2008-12-19、低酸素脳症で、全身マヒ、遷延意識障害となった30代の女性とパソコンによるコミュニケーションで、以下の787文字を引き出しています。
信じてほしい。夢も希望も聞いてほしい。
私は銀世界の中で言葉を伝えられずに迷っている、気持ちが言えず、自分の気持ちを伝えられず、木の上に放り出されてしまった子どものように。
自分の気持ちを外部に送ることもできずに、今まで檻の中に閉じられていた。
心が今、いい時間の流れを通わせながら、いい時間いっぱい感じながら、聞こえてくる、 昔のいろいろな声が。
自分の足で歩き、自分の手で何でもやれた日々が、自分色の思い出として。
人間だから、気持ちを人に伝えたい。小さなことでいいから。

※遷延性意識障害で12年間、植物人間状態にあった男性と、機能的磁気共鳴画像、fMRIスキャナを用いて意思の疎通をとることに成功したと、カナダ、西オンタリオ大学の研究者らが米医学協会誌、JAMA Neurologyに発表しています。

実験は、重篤な脳損傷により長期間無反応だと考えられていた3人の患者に、機能的磁気共鳴画像法、fMRIと呼ばれる、脳の活動領域をスキャンする装置を用い、外部から簡単な言葉で呼びかけ、その反応能力を調べたもので、その結果、3人の患者全員が、リラックスするよう指示したときと比べて、数を数えるよう指示されたときに、脳が活性化したとのデータが得られています。
また、3人の患者のうち2人、植物人間状態の患者と、最小意識状態の患者は、特定の刺激に反応する能力を調べたときに、注意を向ける先を変える能力を示しています。
そこで、この2人の患者に、
「あなたはスーパーマーケットの中にいるのですか?」
「あなたの名前はスティーヴンですか?」
など、ハイ、イイエで回答できる質問をしたところ、2人とも、正確に、ハイと、イイエで回答できることが判明しました。

この実験を率いた西オンタリオ大学の脳心理研究所のロリーナ・ナシ博士は「私たちは今回初めて、植物状態と診断された患者が、自分の注意を向ける先を変えることで、自分に意識があることを伝え、他者と意思疎通を図ることができることを明確に示した。」 と語っています。
脳に重篤な損傷を受けると、患者はしばしば、肉体的反応を示す能力を失います。
その患者では、意識があるのか、患者が身の回りで起こっていることを理解できているのか、自分の状態についてどう考えているのかは外部からは分からないのですが、ナシ博士は、「植物状態や最小意識状態とされていても、実際には、閉じ込め症候群であることがあり、この研究結果がそうした患者を見分ける方法になることを期待している。」 と語っています。
閉じ込め症候群であれば、眼球運動で意思伝達ができるのです。

今回発表となった論文の共著者であるケンブリッジ大学のエイドリアン・オーエン博士は、2010年に、脳スキャナーを使用した同様の実験を行っており、植物状態にあっても思考の伝達が可能な者がいることを示しています。

※閉じ込め症候群  locked-in syndromeとは?
遷延性意識障害と類似した症状に、閉じ込め症候群があります。
遷延性意識障害者は、意識がない、もしくは混濁状態ですが、閉じ込め症候群では、本人の意識は正常に保たれており、目を開ければ周りを見ることもでき、耳も聞こえている状態で、外界を認識できています。
ところが、四肢の完全麻痺と球麻痺のため、手足の動きや発声などの意思表示ができない緘黙(かんもく)状態となっています。

閉じ込め症候群は、脳底動脈閉塞による脳梗塞などで、主に脳幹の橋腹側部が広範囲に障害されることで発症すると考えられています。

※球麻痺
延髄の運動核の障害による麻痺で、延髄には、舌、咽頭、口蓋、喉頭などの筋の運動を支配する脳神経核があり、延髄の損傷では、咀嚼、嚥下さらに構音の障害をきたします。

遷延性意識障害と診断されることが多いのですが、本人には、シッカリとした意識があります。
しかし、意志表示をする手段が絶たれており、体の中に閉じ込められた状態であるとして、閉じ込め症候群と呼ばれているのです。 垂直眼球運動と、まばたき運動を残しており、意思表示ができるのですが、遷延性意識障害では、以下の6つの要件があり、

①自力移動が不可能であること、
②たとえ声を出しても、意味のある発語は不可能であること、
③眼を開け、手を握れなどの簡単な命令にはかろうじて応じることはあるが、それ以上の意思疎通は全く不可能であること、
④眼でかろうじて物を追うことがあっても、それを認識することは不可能であること、
⑤自力摂食が不可能であること、 ⑥糞尿失禁状態であること、

②③④が邪魔をして、単にまぶたを閉じただけでは、閉じ込め症候群と診断されません。
視線においても目の筋肉の麻痺などで、視線が感じ取れないときは、医師や家族もアイコンタクトに気がつかないことがあり、このことが深刻です。

まだ、治療法として確立されていませんが、遷延性意識障害者は、自ら表現ができないだけで、遠いところ、深いところに意識自体を有していると考えられるのです。

余談ですが、東野圭吾さんの小説、「ラプラスの魔女」 は、12歳の少年が硫化水素中毒で遷延性意識障害となるのですが、脳に電極を埋め込み、特殊な電気パルスを送り込む手術で意識を回復するとともに、新たな予測能力を手に入れるのですが、私は、閉じ込め症候群であったのではないかと推測しています。

 
 
雑学目からウロコが落ちる?

聖書に出典があるといわれている、「目からウロコが落ちる」 という慣用句。
目からウロコが落ちるほど、という強調の意味を込めて使われているが、
ヘビは脱皮のさい、本当に、目からウロコが落ちるそうだ。

 

9/25(金)(2)自宅介護の優位性について?

(2)自宅介護の優位性について?

自宅介護は大変で、とてもできないという声も聞きますが、遷延性意識障害者にとっては、以下の3つの理由により、環境さえ整えば、自宅での療養が最も望ましいと考えられています。
また、被害者が子どもであるときは、ほぼ100%の両親は自宅介護を選択しています。

1)意識の戻る可能性
まだ、治療法として確立されていませんが、後段に紹介する研究では、遷延性意識障害者は、自ら表現ができないだけで、遠いところ、深いところに意識自体を有していると考えられているのです。
自宅介護では、介護人が常に近くにおり、頻繁な声掛けなどで、刺激を与えることができ、近い将来に、意識が戻る可能性が高まることも、十分に予想されるのです。

2)感染症のリスク
病院や施設での介護では、どうしても、他の患者との接触が避けられず、肺炎、MRSA、VREなど、院内感染のリスクがありますが、自宅介護では、そのリスクは、ほとんどありません。

3)住宅のリフォームと職業介護人の派遣
自宅介護では、裁判所から住宅の改造と職業介護人の派遣が認められています。
家族だけで365日の介護は、ストレスを考えると困難ですが、介護のしやすい住宅に改造し、職業介護人をうまく利用することで、家族にも必要な休息が取れるように配慮することができます。

(3)裁判所が認める自宅介護?

これまでの判例を検証する限り、本人ないし家族の希望、介護環境、住環境、医療環境の4要件を満たすことで、自宅介護は認められています。

1)本人ないし家族が希望していること、
2)人的支援が確保されていること、

家族の介護に加え、訪問ヘルパー、訪問看護師、訪問リハビリなど、人的資源が確保されていること、
介護者のマンパワーが十分、介護技術が熟練、褥瘡など、余病の発生を防止することができること、
3)物的設備が確保されていること、
バリアフリー構造など、自宅が介護に対応できるよう改造され、介護設備が整っていること、
4)医療的環境設備が整っていること、
訪問診療などの定期的往診、状態が悪化した際に、対応できる治療先が近隣に存在すること

2011年、名古屋地裁は、判決文の中で、以下の判示をしています。
「ベストケアを行えば、それがないよりもはるかに長生きできる蓋然性が高いことが明らかであるのに、費用が高過ぎるとして、ベストケアを受ける費用分の損害賠償を認めないということは、そのベストケアを受けたとしても一般人ほどには長生きできそうにない被害者に対して、余りにも酷な話であり、人道上許されないように思われる。」
自宅介護は不可能であり、認められない?
寝たきりであれば、長く生きられない?
被害者の余命は短いので、将来介護費は平均余命までカウントする必要はない?
これらの損保の反論を退けての判決文ですが、遷延性意識障害について、将来の基準となる、丁寧な認定がなされた判決文です。

 
 
ジョーク眉に唾をつける?

俗に眉唾と説明しますが、その意味は私も知りませんでした。
なんでも昔は、狐や狸に化かされないように眉に唾をつけて用心したそうです。
そこから、疑ってかかること、人に騙されないように用心することを、眉唾といいます。

 

9/24(木)(2)自宅介護を可能にする住宅のリフォームと介護設備

(2)自宅介護を可能にする住宅のリフォームと介護設備
コンセプトは、遷延性意識障害者にとって安全であり、一緒に暮らす家族にとって、介護しやすいことですが、弁護士を含め、理学療法士や作業療法士など要介護者の身体機能に精通した専門家を交えて、住宅改造計画を立案することになります。

1)スロープの設置とバリアフリー
段差にはスロープを設置、住宅の間取りに合わせたバリアフリー改造を行います。
介護では、介護する部屋と台所・水回りが隣り合わせとすることで、利便性が高まります。

2)遷延性意識障害者の部屋
①具体的な改造 遷延性意識障害者の部屋では、床の段差を解消し、ストレッチャー型車椅子で移動できるよう廊下を広くすることや、片開きのドアでは、車椅子の出入りが困難なときは、引き戸にリフォームすることになります。
一般のフローリングではなく、重量のある電動介護ベッドや車椅子による移動を想定し、耐久性の強い床に改造しなければなりません。

②エアコン、加湿器、空気清浄機、24時間換気システム 遷延性意識障害者では、交感神経と副交感神経のバランスに障害があることが多く、自分で体温の調節をすることが困難で、介護者が気づかないうちに、熱中症や低体温症になることが予想されます。
そのため、遷延性意識障害者の部屋では、年中一定の気温を保つことに留意しなければなりません。 エアコンで温度調整をするのですが、空気が乾燥するので、加湿器の設置を忘れてはなりません。
空気が乾燥すると、痰ができやすく、また痰の粘度が高くなるのです。
その他に、空気洗浄機や24時間換気システムなどを整備すれば理想的です。

※24時間換気システム
平成15年7月の法改正で、新築住宅では、24時間換気システムの設置が義務化されています。
24時間換気システムの仕組みは、リビング、部屋などの壁に取り付けられた給気口から空気を取り込み、その取り込まれた新鮮な空気は各部屋のドアの下の隙間から廊下に流れ、最後に洗面所やトイレ、バスルームに設けてある天井排気口から外部に排気されるものです。

3)電動介護ベッドとマットレス
遷延性意識障害者でも、日中は上半身を起こしておくことが推奨されています。
日常的なケアでも、フラットタイプだと抱き起こす作業が大変であり、背上げ、足上げを同時に実行し、左右の傾斜で自動的に寝返りをサポート、車椅子への移乗やベッドシーツの交換時には、ベッドの高さを最大32cmまで下げることができ、洗髪など、必要に応じてヘッドボードとフットボードを簡単に脱着することのできる電動式介護ベッドの選択がベストです。


自動寝返り支援ベッド
介護マットレスは、圧迫を受ける身体の部位を移動させ、褥瘡を防止する機能を持たせた圧切替型エアマットレスなどもあり、当初は、レンタルで試用されることを勧めています。
 
 
ジョーク女の一生?

18歳⇒女はフットボール、22人の男が彼女を追いかける?
28歳⇒女はホッケー、8人の男が彼女を追いかける?
38歳⇒女はゴルフ、1人の男が彼女を追いかける?

 

9/18(金)6)NASVAの支援

6)NASVAの支援

 

国土交通省所管の独立行政法人 自動車事故対策機構、NASVAは、自賠責保険の運用益で、安全運転に関する様々な事業を展開していますが、ここでは、遷延性意識障害者などに対する介護料の支給と療護センターにおける入院治療を取り上げます。

※介護料
1)介護料の支給
1カ月の介護費用として自己負担した額に応じ、受給資格の種別ごとに、次の範囲内で支給されます。
介護費用として自己負担した額が下限額に満たないときは、下限額が支給されます。

種別

月額介護料

最重度

特Ⅰ種

6万8440円~13万6880円

常時要介護

Ⅰ種

5万8570円~10万8000円

随時要介護

Ⅱ種

2万9290円~5万4000円

支払い月は、毎年3、6、9、12月の年4回、各支給月前の3カ月分がまとめて支給されます。

自宅にて介護を受けている方が、
①ホームヘルプサービス
②訪問入浴
③訪問看護
④訪問リハビリ
⑤デイサービス
上記サービスを受けたときは、サービスを行った事業者ごとの領収書の提出で、介護料の上限額までの範囲内で支給されます。ただし、親族によるサービスの提供は、介護料の支給対象とはなりません。

2)介護用品の購入
自宅で介護を受けている方が、次の介護用品を購入、レンタルまたは修理(交換)したときは、事業者ごと領収書の提出により、介護料の上限額までの範囲内で支給されます。

介護用品

品目

規格

介護ベッド

本体、サイドレールorサイドサポート、マットレス、介助バーおよび付属テーブル

車椅子

自走式車椅子、電動車椅子および浴用医師などの介助用車椅子および固定ベルト、バックサポート、サイドガード等の補助具

褥瘡予防

水、エア、ゲル、シリコン、ウレタンなどからなるマット類およびクッション並びにカバー・シーツであって、体圧を分散することにより、圧迫部位への圧力を減ずることを目的とするもの、

吸引器

痰吸引器を含む吸引器、吸入器(ネブライザー)

特殊尿器

尿が自動的に吸引されるもので、要介護者または介護者が容易に使用し得るもの

移動用リフト

本体および吊り具、床走行式、固定式または据置式で、身体を吊り上げまたは、体重を支える構造により、自力での移動が困難な者のベッドと車椅子間などの移動を補助する機能を有するもので、取付けに工事を伴うものを除く、

スロープ

段差解消のためのもので、取付けに工事を伴うものを除く、

購入の消耗品

紙おむつ、尿取りパッド、導尿カテーテル、バルーンカテーテル、痰吸引用カテーテル、滅菌ガーゼ、使い捨ての手袋

障害者総合支援法第6条に基づき、市町村の地域生活支援事業として給付を受け、その際に自己負担した金額を請求することはできません。

3)支給要件
①最重度、特Ⅰ種の要件

種別

特Ⅰ種の要件

脳損傷

①自力移動が不可能である。
②自力摂食が不可能である。
③屎尿失禁状態にある。
④眼球はかろうじて物を追うこともあるが、認識はできない。
⑤声を出しても、意味のある発言はまったく不可能である。
⑥目を開け、手を握れという簡単な命令にはかろうじて応ずることもあるが、それ以上の意思の疎通は不可能である。

脊髄損傷

①自力移動が不可能である。
②自力摂食が不可能である。
③屎尿失禁状態にある。
④人工介添呼吸が必要な状態である。

脳損傷では、遷延性意識障害と確定診断されていること、脊髄損傷では、C/1、2、3、上位頚髄損傷により、自力呼吸ができず、人工呼吸器を使用しているレベルとなります。

②常時要介護と随時要介護の要件

種別

後遺障害等級

常時要介護

Ⅰ種

自賠法施行令別表Ⅰの1級1号、または1級2号

随時要介護

Ⅱ種

自賠法施行令別表Ⅰの2級1号、または2級2号

 

別表第1 介護を要する後遺障害

第1級

1.神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、常に介護を要するもの。
2.胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、常に介護を要するもの。

第2級

1.神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、随時介護を要するもの。
2.胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、随時介護を要するもの。

自損事故であっても、③ ⅰ、ⅱに掲げた支給要件を満たすときは、適用されます。

4)支給制限
支給対象となる方が、次のいずれかに該当するときは、支給されません。

①自動車事故対策機構が設置した療護施設に入院したとき、
②法令に基づき重度の障害を持つ者を収容することを目的とした施設に入所したとき、
(特別養護老人ホーム、身体障害者療護施設、重度身体障害者更生援護施設など)
③病院または診療所に入院したとき、 ただし、家族による介護の事実があるときは支給されます。
④労働者災害補償保険法など他法令の規定による介護補償給付または介護給付を受けたとき、
(国家公務員災害補償法、船員保険法など)
⑤介護保険法の規定による介護給付を受けたとき、
⑥支給対象となる方の主たる生計維持者にかかる前年の合計所得金額が1000万円を超えるときは、その年の9月から翌年8月までの間は支給されません。

※療護センター
NASVAでは、自動車事故による遷延性意識障害者で、入院の要件に該当する被害者を対象に、社会復帰の可能性を追求しながら手厚い治療と看護、リハビリテーションを行う療護センターを国内4カ所に、療護センターに準ずる委託病床を国内の3カ所に設置・運営しています。
これらの療護施設への入院期間は概ね3年以内とし、入院の承認は、治療および介護の必要性、脱却の可能性などを総合的に判断して行われます。
これらの療護施設では、CT、MRI、PETなどの高度先進医療機器を用いた検査情報を基に、個々の被害者に合った効果的な治療、リハビリの方針を策定し、対応しています。

1)療護センターと委託病床

名称

所在地

ベッド数

1.東北療護センター

仙台市太白区長町南4-20-6 022-247-1171

50

2.千葉療護センター

千葉市美浜区磯辺3-30-1 043-277-0061

110

3.中部療護センター

岐阜県美濃加茂市古井町下古井630 0574-24-2233

50

4.岡山療護センター

岡山市北区西古松2-8-35 086-244-7041

50

5.中村記念病院

札幌市中央区南1条西14丁目 011-231-8555

12

6.湘南東部総合病院

茅ヶ崎市西久保500 0467-83-9091

12

7.泉大津市立病院

大阪府泉大津市下条町16-1 0725-20-6922

16

8.聖マリア病院

福岡県久留米市津福本町422 0942-35-3322

20

2)入・退院の状況

 

入院

脱却

退院

死亡

H28年度

93人

30人

45人

11人

累計

1415人

372人

701人

98人

NASVAのビデオ、「在宅介護に向けて」は、自宅で介護される人に向けて、経口摂取、経管栄養、口腔ケア、表情筋マッサージ、体位変換・移乗、更衣、おむつ交換、関節を動かす練習、温浴刺激療法、用手微振動、バランスボール運動などを具体的に解説し、他に類を見ない、優れたガイダンスです。
http://www.nasva.go.jp/sasaeru/zaitaku.html
自宅介護を予定されているご家族は、検証され、学習に役立ててください。
 
 
ジョーク神様?

ある男が森の中で大きな熊と鉢合わせした。
男は全力疾走で逃げたが、熊はどんどん迫ってきて、とうとう男は、崖っぷちに追い詰められた。
男はひざまずいて、天を仰いで言った。
「おお、神よ、どうかこの熊に信仰をお与えください!」
すると、突然、稲光がして、一瞬真っ白になった。
男が眩む目を開いてみると、なんと熊がひざまづいて祈りを捧げているではないか?
「主よ、おめぐみに感謝します。」

 

9/17(木)2)たんの吸引と口腔のケア

2)たんの吸引と口腔のケア

 

自宅介護で慣れないとき、最も苦労するのが、吸引器によるたんの吸引です。

入院から自宅介護になるときは、医師や看護師から吸引のケアについての指導が行われています。
吸引器も治療先から紹介を受けて購入することになります。
たんの吸引は医療行為であり、規制緩和により条件付きで、職業介護人にも許可されていますが、原則としては、被害者家族の作業となります。
男性では、たんの量によっては夜中も吸引が必要になることもありますが、女性は、たんの量が少なく、たんの吸引では、男性に比べると格段に楽な作業です。
慣れてくると、計画的に、たんの吸引ができるようになります。

たんの吸引と共に、口腔ケアもしっかり行う必要があります。
遷延性意識障害者の栄養補給は流動食で、鼻チューブか、胃瘻による胃への注入であり、口を使うことがなくなることで、唾液の分泌が十分ではなくなるのです。
唾液には、口内を潤し、食べ物を飲み込みやすくし、細菌の繁殖を抑える役目があります。
唾液が少なくなると、風邪や肺炎など、感染症のリスクが高まるので、口内ケアは毎日、行います。
口内洗浄用のウエットティッシュ、スポンジ状の洗浄棒、うがい不要の口内洗浄液を備えておきます。
また、口腔を刺激すると、飲み込んだものが気管に入らないようにする喉頭蓋の動きが良くなることも報告されており、誤嚥性肺炎を予防することにつながります。

3)排尿・排便の介護

排尿では、テープ式紙おむつと、重ね使いとして尿パッドを使用します。
膀胱炎、尿道炎などの尿路感染症を予防するには、1日に4~5回のこまめなおむつ交換と陰部の清拭を実施しなければなりません。

尿パッドには、昼用長時間タイプと夜用長時間タイプの2種類が用意されています。
尿量が少ないときは、パッドのみの交換で済ませることもできます。

遷延性意識障害者は、自分でイキムことができないので、どうしても、便秘気味となります。
したがって、排便では、下剤と摘便を併用することになります。
毎日の排便が望まれますが、摘便となると、かなりの時間を要するので、要介護者の疲労を考慮するのであれば、3日に1回の頻度で、実施することになります。
排便では、肛門周辺を清潔に保ち、肛門周囲炎を予防しなければなりません。
紙おむつでは、肌触りや腰回り、足回りの大きさを考慮すると共に、被害者の肌荒れ、かぶれが起きることのないよう、そして、尿漏れしないものを選択するのですが、当初は、2~3枚入りのお試し用パック、無料サンプルを利用することになります。

4)褥瘡の介護

たんの吸引とならび、苦労させられるのが、褥瘡=床ずれ防止の介護です。
遷延性意識障害者では、寝たままの姿勢が強制され、圧迫された部分で血行不良となり、放置しておくと、褥瘡=床ずれと呼ばれる細胞の壊死が起こります。
褥瘡から緑膿菌が肺に感染すれば、肺炎となり、命に関わる重篤な症状となります。
これを防止するには、こまめな、理想的には2時間に1回の体位変換をしてあげなければなりません。
しかし、私の経験則では、2時間ごとの体位変換はありません。
実際に褥瘡となっていれば、それは守らなければなりませんが、介護では、イイ加減ではなく、良い加減で続けていく調整が必要で、遷延性意識障害者の実際の状態により、対応は変わります。
最近では、タイマーの設定で、ベッドが左右に傾斜して自動的に寝返りを支援する電動式介護ベッドが開発されており、夜間は、これに頼ることができます。

5)入浴の介護
自宅介護であっても、自宅の浴室における入浴は、非常に困難です。
1人の介護者が、遷延性意識障害者を安全に入浴できる設備を整えようとすると、改装費用が膨大で、風呂場だけでも1.5坪=4.97㎡の広さが必要となり、加えて、特殊な浴槽や設備が必要となるため、一般家庭での実現は困難です。
現実的には、訪問入浴介護サービスを上手に利用することになります。

入浴は、訪問入浴介護サービスで1週間に2回、それよりも、毎日2回の、蒸しタオルによる身体の清拭と、身体全体をさするマッサージが理想的です。
タオルを水に浸けて緩く絞り、電子レンジ500Wで1分間チンすると、蒸しタオルができあがります。

遷延性意識障害であっても、生きている以上、汗もかき、新陳代謝で皮脂や垢も出ます。
特に、若年であれば、新陳代謝も活発なため、こまめに洗体を実施しなければなりません。
夏で、大量に汗をかいたとき、あせも、肌荒れを防ぐ意味で、皮膚を清潔に保つ介護用品、アルコールフリーの体や顔用の清拭シートや、水が不要なドライシャンプーなどを利用すると便利です。

 
 
雑学筍の親まさり?

筍は成長が早く、すぐに親竹に追いつくところから、子の成長ぶりが目覚しく親を凌いでいることをいいます。

 

9/16(水)遷延性意識障害

遷延性意識障害 

 

1.遷延性意識障害とは
遷延性意識障害は、植物状態、英語でもVegetative stateと言われる最も重度な後遺障害です。

脳の下部にある脳幹の呼吸、循環などの生命維持に必要な機能の損傷は免れたものの、上部脳幹・視床下部・視床・大脳半球の広範囲の不可逆的なダメージにより、寝たきり状態となります。

(1)自力移動が不可能であること、
(2)たとえ、声を出しても、意味のある発語は不可能であること、
(3)眼を開け、手を握れなどの簡単な命令にはかろうじて応じることはあるが、それ以上の意思疎通は全く不可能であること、
(4)眼でかろうじてモノを追うことがあっても、それを認識することは不可能であること、
(5)自力摂食が不可能であること、
(6)糞尿失禁状態であること、

以上の6項目が、治療にもかかわらず3カ月続いたときは、植物状態とみなします。
自律神経は、やや正常に機能しているのに、体性神経の完全、もしくはほとんど欠如した状態ですが、植物状態は、明らかに脳死とは異なります。

※脳死と植物状態の比較

 

脳死

植物状態

損傷部位

脳幹部を含む全脳

主として大脳皮質

自発呼吸

なし

あり

意識

なし

種々のレベル

脳波

平坦

あり

体動

なし

あることが多い

被害者は意識を喪失しており、常時の介護を受けなければ、生命を維持することができません。

2.遷延性意識障害の被害者と家族が直面する現実
遷延性意識障害の被害者は、自らの意思を相手に伝えることができません。
食事や排泄、痰の吸引やおむつの交換、褥瘡防止のための、こまめな体位変換と清拭など、日常生活の全てにおいて、24時間、365日、気を許すことのできない介護が必要となります。
これは、介護を行う被害者家族にとって、精神的、体力的、経済的にも大きなストレスとなり、正に、本件交通事故による二次的な被害となります。

(1)日常の介護について
1)食事の介護
遷延性意識障害者では、流動食を胃に送り込むことが、食事となります。
鼻から管を通して送り込むのと、胃瘻から、直接、胃に送り込む方法の2通りがあります。


胃瘻による注入
流動食=介護食は、栄養バランスが完璧で、消化負担が軽くなるように作られています。
流動食は、往診の医師に処方を依頼することになりますが、ローカルで、処方箋薬局が流動食に対応していないときは、ネット通販で調達することになります。

明治乳業のメイバランス、アサヒグループ食品の濃厚流動食、森永乳業のクリニコ、テルモなどから販売されており、医師に相談して選択することになります。

①脱水症の防止
人間が必要とする1日当たりの水分量は、体重×1kg当たりの必要水分量(ml)で求められます。
例えば体重60kgの成人では、60kg×50ml/kg=3000ml=3リットルの水分摂取が必要になります。
食事で摂取できる水分は、1日1.5Lと言われており、残り1.5Lの水分を補給しなければなりません。
遷延性意識障害者で寝たきりであっても、流動食以外に1.5L以上の水分補給が必要です。

②カロリー不足と栄養の偏りの防止 流動食は、ビタミン・ミネラル・カルシウムなどの栄養バランスは完璧ですが、身体のエネルギーとなる蛋白質、脂質など成分が不足しがちです。遷延性意識障害者でも、基礎代謝分の栄養がなければ栄養失調となるおそれがあり、往診では、医師に、必要に応じてハイカロリー輸液の点滴、蛋白質、脂質、炭水化物、ミネラル、ビタミンを含む濃厚流動食の処方をお願いすることになります。

健常人は、1日に必要な栄養類の他に、身体の調子を整えたり、丈夫にしたりする成分を、多種類の食品を食べることにより摂取しています。
しかし、流動食では、補完的な栄養の摂取は不可能であり、遷延性意識障害者では、医師とも相談の上、日々の健康管理で、カロリー不足と栄養の偏りを防止しなければなりません。

 
 
ジョーク貸し物覚えの、借り物忘れ?

貸した物はキチンと覚えているのに、借りた物はよく忘れる? 
つまり、都合のよいことは忘れず、具合の悪いことは忘れることをいいます。

 

9/15(火)判例 1 復職し、昇給もしているので、逸失利益は認められない?

判例 1 復職し、昇給もしているので、逸失利益は認められない? 

(脊髄損傷7級4号、外貌の醜状7級12号、併合5級、2017年 奈良地裁 和解)

 

(1)概要
45歳の男性消防士が、バイクを運転、狭路側から一時停止後に左折した際、のため交差点に低速で 交差道路を直進中の加害自動車に跳ね飛ばされたもので、被害者には、頚髄損傷7級4号、外貌の醜状で7級12号、併合5級が認定されています。

(2)問題点
被害者は、消防士であり、公務員として身分が保障されている。
現に、給与は、復職後、昇給しており、併合5級の後遺障害を残しているとしても、逸失利益は認められない。

(3)損保の反論
被害者は、事故後、復職していますが、事故当時の消防士としての激務をこなすことは、身体的な機能障害により、まったく、できなくなりました。

⇒弁護士は、カルテと看護記録、後遺障害診断書、脊髄判定用、主治医の意見書、職場の上司と本人の陳述書を証拠として提出し、被害者の身体的機能障害の実態を説明するとともに、
①被害者が後遺障害の影響を少しでも軽減しようと努力をしていること、
②職場の配慮も大きいこと、
③将来の職場環境変動次第では、人員削減の対象にもなり得ること、
④その場合には、外貌醜状の影響もあって、転職先が制限されてしまうこと、
などを議論することで、具体的に、労働能力が喪失している事実を立証しています。
その上で、労働能力喪失率は、被害者が、60歳で定年になるまでは20%、
61歳以降67歳になるまでは、
①定年後の再就職先確保が容易でないこと、
②また再就職に当たり外貌醜状が存在することで、不利となる可能性を否定できないことを事情に、7級4号をベースに、56%として逸失利益を積算し、2440万円を請求しています。

(4)裁判所の判断
1)⇒裁判所は、主治医の意見書、職場上司の陳述書を評価し、逸失利益は認められないとの損保の主張を排斥して、労働能力喪失率については、被害者が、60歳で定年になるまでは20%、61歳以降67歳になるまでは56%であるとして、2440万円の逸失利益を認めています。

2)調整金270万円を含み、和解額は1600万円ですが、自賠責保険金1570万円を加え、3170万円が実現しています。
なお、過失割合は被害者に30%で、争いがなく、1240万円が控除されています。

(5)NPOジコイチのコメント
本判例のピンポイントは、逸失利益の算定における労働能力喪失率にあります。

損保からは、公務員である被害者の身分保障と、復職後の給与額が昇給している事実を根拠に、事故による逸失利益は発生していないとする厳しい反論がなされています。
弁護士は、主治医の意見書、職場上司と被害者本人の陳述書で、
①被害者が後遺障害の影響を少しでも軽減しようと努力をしていること、
②職場の配慮も大きいこと、
③将来の職場環境変動次第では、人員削減の対象にもなり得ること、
④その場合には、外貌醜状の影響もあって、転職先が制限されてしまうこと
などを丁寧に説明することで、労働能力が確実に喪失していることを立証しています。

また、被害者の外貌醜状では、裁判でも、男性であれば、労働能力喪失が否定されるケースが多いのですが、本件では、転職活動への影響が十分考えられるとして、労働能力喪失につなげています。

 
 
ジョークお父さんのハゲ?

薬局で、レジに並んでいたら、自分の後ろに、お父さんと幼稚園の子どもが、
子ども 「お父さん、ハゲのお薬買えば?」
父 「お父さんは、禿げているんじゃなくて、おでこが、人よりちょっと広いだけ?」
子ども 「ふうん、お父さんのおでこって、後ろからも見えるんだね。」
父 「・・・・・」
レジに並んでいた人達、肩を震わせて笑いをこらえていた。

 

9/14(月)判例2 非骨傷性の脊髄損傷 中心性頚髄損傷の立証は?

判例2 非骨傷性の脊髄損傷 中心性頚髄損傷の立証は? 

(脊髄損傷 3級3号 2009年 熊本地裁 判決)

 

2009-9-12 阪神タイガースの赤星選手は、中心性頚髄損傷で引退に追い込まれました。
そのときの、ダイビングキャッチの画像です。

(1)概要
23歳の女性会社員が、乗用車の後部座席に同乗中、センターラインオーバーの対向車の衝突を受け、自車が電柱に激突したもので、被害者には、C6/7頚椎骨折に伴う中心性頚髄損傷で3級3号が認定されています。

(2)問題点
リハビリ医のカルテの内容、隠し撮りのビデオ撮影から、実際には9級相当の軽度障害であり、介護料や家屋改造費は認められない。

(3)損保の反論
1)相談の被害者家族は、リハビリ病院の主治医が、障害の度合いを実際よりも、軽く評価していることを不安に感じていたことから、弁護士は、自賠責保険に後遺障害診断書を提出する前に、事故直後に救急搬送された救命救急センターの診療録、看護記録などを取りつけ、初期症状を検証しています。
そして、被害者の現在症状を十分把握し、傷病名が中心性頚髄損傷であると確信できたので、主治医と面談し、そのことをしっかり認識してもらい、MRI画像所見、神経学的な検査所見などを後遺障害診断書と脊髄症状判定用の書式に、具体的に記載するように依頼しています。
自賠責保険調査事務所からは、3級3号の認定を受け、直後に訴訟を提起しています。

2)⇒弁護士は、救命救急センターの診療録と看護記録、後遺障害診断書、脊髄判定用、リハビリ病院主治医の意見書、家族と本人の陳述書を証拠として提出、被害者の障害の実態を明らかにしています。
リハビリ先のカルテ記載について、主治医の意見書により、あくまでもバリアフリー化された病院内で過ごすことを前提とした内容であって、一般住宅の自宅に帰ったときは、障害の内容が日常生活に支障をきたすものであると反論しています。
その上で、日額3000円の家族介護で、総額2000万円の将来介護料を、被害者が病院と同じ環境で日常生活を送る必要から、1階部分のプレハブ増築費用160万円を請求しています。

(4)裁判所の判断
1)⇒裁判所は、損保の主張を排斥、リハビリ医の意見書を評価して、日額3000円、総額2000万円の将来介護料と、被害者が病院と同じ環境で日常生活を送る必要から、1階部分のプレハブ増築費用の被害者利用分として160万円を認定しています。

2)4年3カ月分の遅延損害金2200万円を含み、判決額は1億1900万円ですが、自賠責保険金2200万円を加え、1億4100万円の損害賠償が実現できました。

(5)NPOジコイチのコメント
本判例のピンポイントは、後遺障害診断時に主治医の想定を修正できたことです。

当初の救命救急医は中心性脊髄損傷を理解していたのですが、転医先のリハビリ科の医師には、その知見と認識が希薄でした。そこで、救命救急の診療録、看護記録を分析し、それらを具体的に伝えることで、医師の理解を促した結果、自賠責保険の調査事務所は3級3号を認定しました。

しかし、すでに、リハビリ病院で作成されたカルテを訂正することはできません。
相手の損保は、このカルテ記載の内容を根拠として9級に相当する軽度障害と反論しています。
そこで、リハビリテーションセンターはバリアフリー化されているため、実際には重い障害が目立ちにくいこともあって、障害の度合いを軽く評価する傾向であることに、主治医の理解を求めました。
そして、中心性頚髄損傷の被害者にあっては、治療先と自宅とでは、まったく環境が異なる点を強調し、このことを医師に十分認識いただいた上で、意見書の作成を依頼し、裁判で反論を行い、同時に、自宅を病院と同じようにバリアフリー化するための費用をしっかり積算して請求したのです。

※中心性頚髄損傷

ここまでは、主に横断型脊髄損傷、つまり完全損傷の解説でした。 横断型では、XP、MRIで脊髄損傷を立証することが容易です。
ところが、中心性頚髄損傷は、大半が、骨折、脱臼の認められない非骨傷性の不完全損傷です。
後遺障害としての中心性頚髄損傷の立証は、医師の理解や興味、協力が得られないことが多く、いつの場合でも、相当に困難で、苦労させられています。

まず、当初の診断書に中心性頚髄損傷と記載されていても、70%強は、単なる頚椎捻挫です。
受傷直後の診察で、被害者が両上肢の痺れを訴えただけで、中心性頚髄損傷と診断され、入院下で脊髄の浮腫を改善させるステロイド療法が実施されます。
その後、MRIのT2強調画像で高輝度所見が認められないときも、先の傷病名は訂正されないことがほとんどで、被害者は、「阪神の赤星外野手は中心性頚髄損傷で球界を引退した?」こんなことを考えて落ち込んでいるのですが、被害者請求では、非該当、認定されても14級9号で大騒ぎとなります。

MRIのT2強調画像で、脊髄の中心部が白く光る高輝度所見が得られていても、下肢の機能には問題がなく、普通に歩けるので、中心性頚髄損傷の認識が希薄な医師であれば、少し重度な頚椎捻挫の理解で、スルーされてしまいます。
実際の中心性頚髄損傷では、上肢の症状が強く、運動麻痺、疼痛、ビリビリするような両手や手指の痛みと痺れ、パジャマのボタンを留めることができないなど、手指の巧緻運動障害を引き起こします。
痺れでは、タンスの角に肘をぶつけたときに感じる、ジンジンする痺れが、両上肢に持続するのです。
神経学的検査では、深部腱反射が亢進、ホフマン、トレムナー反射、ワルテンベルグ徴候では病的反射が出現し、両上肢は筋萎縮でやせ細ります。


ホフマン反射        トレムナー反射

ワルテンベルグ徴候

これは、高輝度所見ではありませんが、頚椎前方部に血腫が確認できます。

そして、箸を使用して食事ができないなど、手指の巧緻運動障害が認められます。
その他の症状として、膀胱障害を伴うことがあり、このケースでは、泌尿器科でウロダイナミクス検査をお願いして立証しなければなりません。

中心性頚髄損傷の傷病名があれば、早期のMRI撮影で高輝度所見を立証しなければなりません。
立証された中心性頚髄損傷は、脊髄損傷ですから、決して、ムチウチのカテゴリーではありません。

後遺障害の立証では、後遺障害診断書以外に、脊髄症状判定用の用紙を提出し、肩・肘機能、手指機能、下肢機能、上肢・下肢・体幹の知覚機能、膀胱機能、日常生活状況について、検査と結果の記載をお願いしなければなりません。

チーム110のスタッフは、事前に脊髄症状のチェックを行い、日常生活状況については、被害者の職業上の具体的な支障を記載した書面を主治医に面談して提出しています。 ここまで明らかにしないと、目指す等級の獲得はできません。
中心性頚髄損傷は、後遺障害の立証で、メディカルサポートが必要な傷病名です。

 
 
ジョーク神の天地創造?

神 「日本という国を作ろう。そこには世界一素晴らしい風景、食べ物、気候を作り、そこに、世界一勤勉で礼儀正しい人間を住まわせよう。」
天使 「父よ、それでは日本だけが恵まれすぎています。」
神 「案ずるな、我が子よ、隣に、韓国を作っておいた。」

 

9/11(金)判例3 医療過誤との競合?

判例3 医療過誤との競合? 

(脊髄損傷 2級1号 2008年 那覇地裁 和解)

 

(1)概要
57歳、専業主婦が普通乗用車で信号待ち停止中、加害自動車の追突を受けたものです。
当初は、腰椎椎間板ヘルニアと診断されていたのですが、固定術を実施した治療先の医療過誤により、排尿は自己導尿に頼らなければならず、排便は人工肛門造設となり、結局のところ、脊髄不全麻痺などで2級1号が認定されています。

(2)問題点
1)軽度な追突事故であるのに、これほど障害を負うことは考えられず、現在の障害は、本件交通事故によるものではなく、手術をした病院の医療過誤によるものである。

2)介護料については、請求額の50%で十分である。

(3)損保の反論
1)被害者は当初、併合3級の認定でしたが、実際は、それ以上の重い障害に苦しんでいました。
⇒弁護士は、専門医に再検査による障害の立証を依頼し、新たな後遺障害診断書を取得した上で、自賠責保険に対して異議申立を行い、等級を併合3級から2級1号に引き上げた後に提訴しています。

2)医療過誤による症状の悪化は疑いのない事実でしたが、弁護士は、H13-3-13の最高裁判例を引用して法律論をしっかり展開し、例え、医療過誤が事実であったとしても、賠償に関しては交通事故との共同不法行為であり、賠償は、まず、交通事故で償うべきで、両者の関係は、加害者と治療先の関係の中で、改めて協議すべきものと主張しています。

3)⇒弁護士は、カルテと看護記録、異議申立の後遺障害診断書、脊髄症状判定用、専門医の意見書、仕事を辞めて自宅介護をしている夫の陳述書を証拠として提出し、被害者の現在症状の実態を明らかにし、等級が2級1号より、むしろ1級に近いとして、家族介護と職業介護の併用が必要であると主張、家族介護日額7000円、職業介護日額1万円の併用で5300万円の将来介護料を請求しています。

4)⇒弁護士は、訴訟提起前から在宅介護は実施されているのですが、介護住宅に実績のある建築設計事務所の意見書と見積書で、住宅改造費の内、被害者利用分として1000万円、介護雑費は実績をベースに500万円、介護器具費として400万円の請求をしています。

(4)裁判所の判断
1)⇒裁判所は、最高裁判例を重視し、共同不法行為であることを認めています。

2)⇒裁判所は、専門医の意見書と実際に介護をしている夫の陳述書を評価し、弁護士の請求通り、全額を認定しています。

3)調整金1100万円を含み、和解金は1億3000万円ですが、自賠責保険金3000万円を加え、1億6000万円の損害賠償が実現しています。

(5)NPOジコイチのコメント
本判例のピンポイントは、交通事故と医療ミスの競合で、交通事故に一本化したところにあります。

H13-3-13、最高裁第三小法廷判決は、交通事故受傷と、その後に適切な経過観察を怠った医療過誤により被害者が死亡するに至った事案で、民法719条(共同不法行為)の成立を認めています。
同判例は、事案を、「交通事故により、放置すれば死亡するに至る傷害を負ったものの、事故後搬入された被上告人病院において、通常期待されるべき適切な経過観察がされるなどして急性硬膜外血腫が早期に発見され適切な治療が施されていれば、高度の蓋然性をもって、救命できたということができるから、本件交通事故と本件医療事故とのいずれもが死亡という不可分の一個の結果を招来し、この結果について相当因果関係を有する関係にある」と分析しました。

その上で、「本件交通事故における運転行為と本件医療事故における医療行為とは民法719条所定の共同不法行為に当たるから、各不法行為者は被害者の被った損害の全額について連帯して責任を負うべきものである。」と判示しています。

共同不法行為で連帯責任を負うときは、被害者は、いずれか一方に損害の全額を請求、あとは、加害者同士で話し合って按分比例すればいいじゃないの、いずれにしても、そんなことは被害者の知ったことじゃありません! が通用するのです。
そして、不可分の一個の結果は、死亡事故に限定されていません。
交通事故と医療過誤が競合し、なんらかの後遺障害を残したときも、当然に適用されるのです。

医療過誤との競合でなく、交差点で2台の自動車が出合い頭衝突し、歩道で信号待ちをしている被害者が巻き込まれたときは、被害者は、2台の加害車両に個別に損害賠償を請求するのではなく、双方の過失割合に関係なく、共同不法行為として、いずれか1台に損害の全額を請求すればいいのです。

本件では、加害者の損保は、損害の多くは医療過誤によるものと主張し、責任を放棄しています。
これにまともに取り合うなら、交通事故と医療過誤による2つの損害賠償請求訴訟を提起しなければならなくなり、解決に膨大な時間を要することになります。
現に、私が保険調査員時代、この2つのナンセンスな訴訟提起を経験しています。
本件では、交通事故と医療過誤の関係について、最高裁判例を明示して主張し、交通事故に一本化して裁判を早期に終わらせることができたところが大きく評価できるのです。

※交通事故と医療過誤の競合事案についての最高裁判決全文
H13-3-13、最高裁判所第三小法廷判決 損害賠償請求事件(判例時報1747号87頁)
1)争点
①運転手の過失、被害者の過失、医師の過失、被害者両親の過失の有無?
②交通事故と医療過誤が競合し、運転行為と医療行為とが共同不法行為に該当する場合に、各不法行為者が責任を負うべき損害額を、被害者の被った損害額の一部に限定することができるか?
③運転行為と医療行為とが共同不法行為に該当する場合に、各不法行為者と被害者との間の過失相殺の方法?

2)事案
6歳男児の被害者Aが自転車を運転し、一時停止を怠って時速約15kmの速度で交通整理の行われていない交差点内に進入したところ、同交差点内に減速することなく進入しようとしたK株式会社従業員Bが運転するタクシーと接触し、転倒した。
Aは、本件交通事故後、直ちに、Yが経営するY病院に救急搬送された。
Yの代表者でY病院院長であるC医師は、Aを診察し、左頭部に軽い皮下挫傷による点状出血を、顔面表皮に軽度の挫傷を認めたが、Aの意識が清明で外観上は異常が認められず、Aが事故態様についてタクシーと軽く衝突したとの説明をし、前記負傷部分の痛みを訴えたのみであったことから、Aの歩行中の軽微な事故であると考えた。
そして、C医師は、Aの頭部正面および左側面から撮影したXP写真を検討し、頭蓋骨骨折を発見しなかったことから、さらに、Aについて頭部のCT検査を実施し、病院内で相当時間経過観察をするまでの必要はないと判断し、前記負傷部分を消毒し、抗生物質を服用させる治療をした上、AおよびAの母親Dに対し、「明日は学校へ行ってもよいが、体育は止めるように、明日も診察を受けに来るように、」「なにか変わったことがあれば来るように、」 との一般的指示をしたのみで、Aを帰宅させた。

Aは帰宅直後に嘔吐し、眠気を訴えたため、Dは疲労のためと考えてそのまま寝かせたところ、Aは、夕食を欲しがることもなく午後6時30分頃に寝入った。 Aは、同日午後7時ころには、鼾をかいたり、涎を流したりするようになり、かなり汗をかくようになっていたが、DおよびAの父親Eは、多少の異常は感じたものの、Aは普段でも鼾をかいたり涎を流したりして寝ることがあったことから、この容態を重大なこととは考えず、同日、午後7時30分頃、氷枕を使用させ、そのままにしておいた。 しかし、Aは、同日午後11時頃には、体温が39°まで上昇して痙攣様の症状を示し、午後11時50分頃には、鼾をかかなくなったため、両親は初めてAが重篤な状況にあるものと疑うに至り、翌13日、午前0時17分頃、救急車を要請した。 救急車は同日、午前0時25分にA方に到着したが、Aは、既に脈が触れず呼吸も停止しており、同日午前0時44分、F病院に搬送されたが、同日午前0時45分、死亡した。 Aの両親であるDおよびEが原告となり、Yを被告として提訴し、交通事故の加害者であるB運転手およびBが勤務するK株式会社が原告DおよびEに補助参加した。

3)損害賠償請求額
Aの両親が控訴審(原審)で請求した額は、6983万9618円
内訳:逸失利益4183万9618円+慰謝料2200万円+葬儀費用100万円+弁護士費用500万円

控訴審(原判決)認容額は、2015万4634円
過失相殺前の損害(弁護士費用を除く)の内訳:逸失利益2378万8076円+慰謝料1600万円+葬儀費用100万円=合計4078万8076円
本件死亡事故に対する医療過誤の寄与度を50%、被害者側の過失相殺率を10%として、
損害額 4078万8076円×0.5×0.9=1835万4634円
これに弁護士費用180万円を加算した金額が控訴審の認容額

4)判決による請求認容額
最高裁判所の認容額 3800万9268円
過失相殺前の損害額(弁護士費用を除く):4078万8076円(控訴審と同一)
被害者側の過失を10%として過失相殺した金額3670万9286円から、補助参加人K株式会社から葬儀費用として支払われた50万円を控除し、これに弁護士費用相当額180万円を加算した金額が最高裁判所の認容額

5)裁判所の判断
運転手の過失、被害者の過失、医師の過失、被害者両親の過失の有無
交通事故について、交差点に進入するに際しての注意義務を懈怠した、運転手Bの過失を認めるとともに、Aにも、交差点に進入するに際しての一時停止義務、左右の安全確認義務を怠った過失があり、Aの過失割合は30%が相当であると判断しました。
そして、Aは、頭蓋外面線状骨折による硬膜動脈損傷を原因とする硬膜外血腫により死亡したと死因を認定した上で、交通事故により頭部に強い衝撃を受けている可能性のあるAの診療に当たったC医師は、外見上の傷害の程度にかかわらず、当該患者ないしその看護者に対し、病院内にとどめて経過観察をするか、仮にやむを得ず帰宅させるにしても、事故後に意識が清明であっても、その後硬膜外血腫の発生に至る脳出血の進行が発生することがあること、およびその典型的な前記症状を具体的に説明し、事故後少なくとも6時間以上は慎重な経過観察と、前記症状の疑いが発見されたときには直ちに医師の診察を受ける必要があること等を教示、指導すべき義務が存したのであって、C医師にはこれを懈怠した過失があると認めました。

更に、Aの両親であるDおよびEについても、除脳硬直が発生して呼吸停止の容態に陥るまでAが重篤な状態に至っていることに気付くことなく、何らの措置をも講じなかった点において、Aの経過観察や保護義務を懈怠した過失があり、その過失割合は10%が相当であると判断しました。

交通事故と医療過誤が競合し、運転行為と医療行為とが共同不法行為に該当する場合に、各不法行為者が責任を負うべき損害額を、被害者の被った損害額の一部に限定することができるか?
本件交通事故により、Aは放置すれば死亡するに至る傷害を負ったものの、事故後搬入されたY病院において、Aに対し通常期待されるべき適切な経過観察がされるなどして脳内出血が早期に発見され適切な治療が施されていれば、高度の蓋然性をもってAを救命できたと認定して、本件交通事故と本件医療事故とのいずれもが、Aの死亡という不可分の一個の結果を招来し、この結果について相当因果関係を有する関係にあると判示しました。

その上で、本件交通事故における運転行為と本件医療事故における医療行為とは民法719条所定の共同不法行為に当たるから、各不法行為者は被害者の被った損害の全額について連帯して責任を負うべきものであるとの判断を示しました。

その理由として、共同不法行為によって被害者の被った損害は、各不法行為者の行為のいずれとの関係でも相当因果関係に立つものとして、各不法行為者はその全額を負担すべきものであり、各不法行為者が賠償すべき損害額を案分、限定することは連帯関係を免除することとなり、共同不法行為者のいずれからも全額の損害賠償を受けられるとしている民法719条の明文に反し、これにより被害者保護を図る同条の趣旨を没却することとなり、損害の負担について公平の理念に反することとなるからであると判示しました。

そして、被害者との関係においては、各不法行為者の結果発生に対する寄与の割合をもって被害者の被った損害の額を案分し、各不法行為者において責任を負うべき損害額を限定することは許されないとして、そのような判決を下した原審には法令の解釈適用を誤った違法があり、この違法は原判決の結論に影響を及ぼすことが明らかであると判示しました。

運転行為と医療行為とが共同不法行為に該当する場合に、各不法行為者と被害者との間の過失相殺の方法 前提として、本件は、本件交通事故と本件医療事故という加害者及び侵害行為を異にする2つの不法行為が順次競合した共同不法行為であり、各不法行為については加害者および被害者の過失の内容も別異の性質を有するものであると認定しました。

そして、過失相殺は不法行為により生じた損害について加害者と被害者との間においてそれぞれの過失の割合を基準にして相対的な負担の公平を図る制度であるから、本件のような共同不法行為においても、過失相殺は各不法行為の加害者と被害者との間の過失の割合に応じてすべきものであり、他の不法行為者と被害者との間における過失の割合を斟酌して過失相殺をすることは許されないと判示しました。
その上で、本件においてYの負担すべき損害額は、Aの死亡によるDおよびEの損害の全額(弁護士費用を除く。)である4078万8076円につき被害者側の過失を1割として過失相殺による減額をした3670万9268円から補助参加人K株式会社から葬儀費用として支払を受けた50万円を控除し、これに弁護士費用相当額180万円を加算した3800万9268円となると算定しました。

つまり、交通事故についてのAの過失30%を病院との関係で過失相殺することを認めませんでした。

 
 
ジョーク  小百合ちゃんの職業?

幼馴染の小百合ちゃんは、幼稚園の頃は看護婦さんになると言っていた。
小学生の頃は、飛行機に憧れて、CAになると言っていた。
中学生の頃は、学校の先生になると言って、猛勉強していた。
高校生の頃は、格好いい女になると言い、秘書を目指していた。
大学生の頃は、女子校生に戻りたいと言っていた。
そんな彼女は今、日替わりで、やりたかった全ての職業に就いている。
俺は安月給を握り締め、週2のペースで彼女の元へ遊びに行っている。

 

9/10(木)判例4 高校中退、フリーターの逸失利益は?

判例4 高校中退、フリーターの逸失利益は? 

(脊髄損傷 1級3号 さいたま地裁 判決)

 

(1)概要
19歳男性フリーターが、乗用車の助手席に同乗中、自損事故で受傷したもので、被害者には、C6頚髄損傷で腰から下の対麻痺で1級3号が認定されています。

(2)問題点
1)高校中退、フリーターの逸失利益に、全年齢平均を適用することは、著しく妥当性を欠く。

2)上肢の機能を残しており、労働能力喪失率は100%ではない。

(3)損保の反論
1)⇒弁護士は、被害者が、事故の直後には、工務店に就職することが決まっていたことを知り、就職予定先の工務店で、社長と面談、就職試験日や面接日、具体的な仕事の内容などを聴き取り、内定通知書を取りつけ、証拠として提出し、被害者には、勤労意欲が認められ、一般的なフリーターではないと主張しています。

2)⇒弁護士は、主治医の意見書と母親の陳述書を証拠として提出、被害者の頚髄損傷による麻痺は下肢に限定され、上肢が使える状態ではあるものの、自律神経障害や大腸の蠕動運動の停止などで、発熱や下痢をしばしば発症しており、排尿・排便障害もあって、たとえ、上肢機能が正常であるとしても、継続的に就労することは極めて困難であることを立証し、労働能力喪失率は100%であり、逸失利益については、賃金センサス、男子全年齢平均賃金の567万円を基礎として1億円を請求しています。

3)⇒弁護士は、将来介護料について、被害者の母親が67歳までは日額6500円、以降は職業介護人の日額1万7000円の内容で、総額6600万円を請求しています。

4)⇒弁護士は、バリアフリーマンションへの買い替え差額については、1838万円の内、被害者の利用分として600万円を、介護雑費も、月額6万5000円の実績に基づき、1500万円を請求しています。

(4)裁判所の判断
1)⇒裁判所は、就職が内定していた事実を評価し、また、自律神経障害や大腸の蠕動運動の停止、さらに、排尿・排便障害などにより、就労は不可能であることを認め、労働能力喪失率を100%、賃金センサス、男子全年齢平均賃金の567万円を基礎として、1億円の逸失利益を認定しています。

2)⇒裁判所は、被害者の日常生活実態から、介護の必要性を認め、弁護士の請求の通り、母親が67歳までは日額6500円、以降は、職業介護人日額1万7000円の内容で、総額6600万円の将来介護料を認定しています。

3)⇒裁判所は、バリアフリーマンションへの買い替え差額について600万円を、介護雑費も、実績を重視し、1500万円を認定しています。

4)介護用品の更新料として、1台103万9500円の車椅子を5年ごとに買い替えるとして、450万円を含み、総額2億3600万円の損害賠償が実現しています。

(5)NPOジコイチのコメント
本判例のピンポイントは、脊髄損傷に伴う自律神経障害です。

脊髄損傷の後遺障害等級は、麻痺の内容と範囲で決まります。
発熱や大腸の蠕動運動の停止による下痢など、自律神経障害による症状は、将来介護の内容に直結する重要な要素ですが、等級には反映されないのです。

しかし、弁護士であれば、ここに着目して、現実問題として労働能力喪失率が100%であること、介護の大変さを立証し、満額の逸失利益と高額の将来介護料を請求しなければなりません。
正に、弁護士としての腕の見せ所なのです。

高校中退、フリーターであれば、若年者を理由として全年齢平均賃金の採用はなされません。
これが適用されるのは、学生と会社員に限られているのです。
就職が内定していたとしても、内定通知書だけで立証できるのは、1・2部上場企業に限られます。
地元の零細企業では、直接、弁護士が内定先に出向いて、面接日、紹介した人、具体的な仕事の内容などの詳細な聴き取りを行って、書面を起こさないと、裁判所に心証を与えることはできません。

おむつなどの介護雑費は、訴訟が始まる前の実績で積算して請求しています。
ですから、弁護士は、被害者に対して、事故に関するものはどんな領収書でも必ず保存するように指示し、細かな費目についても、1つ1つ緻密な立証を行う必要があるのです。
大雑把な請求は、裁判においては排除されています。

 
 
ジョーク ひったくり?
寒いから、帰宅してすぐに、リビングのこたつに直行した。
ミニスカだと息苦しいから、スカート脱いで、黒タイツだけで、こたつに入った。

母が、「だらしないわねー」 と、スカートを畳んで、ダイニングの私の椅子に置いた。
母に、「ちょっと、また穿くんだけど~」 と文句を言ってるところに、
高校生の弟が、イケメン友人連れて帰宅、「姉ちゃん、ゲームするから出てってよ!」
江頭スタイルの私は気絶した!

 

9/9(水)判例5 主治医に誤診があったとき?

判例5 主治医に誤診があったとき? 

(脊髄損傷 1級3号、2004年 名古屋地裁 判決)

 

(1)概要
コンビ二駐車場の前で佇立中の19歳女性アルバイトが、駐車場からバックしてきたトラックに轢過されたもので、被害者には、C6頚髄損傷による対麻痺で1級3号が認定されています。

(2)問題点
救急搬送された治療先医師の誤診により、事故以外の疾患であるとされ、自賠責保険に対して、後遺障害の申請すら、できない状況にありました。

(3)損保の反論
当初の主治医の診断書に歩調を合わせ、事故以外の病気によるもので、無責である。の

(4)弁護士の立証
1)弁護士は、専門医を紹介、被害者に同行して受診し、精査を依頼しています。
精査が実施され、傷病名は、本件事故によるC6頚髄損傷と診断されました。
専門医には、当初の治療先における術時の画像分析およびカルテと看護記録の分析を依頼し、それらを、専門医の意見書としてまとめました。
さらに、専門医のサポートを得て、新たに診断された傷病名に関する医学文献を多数収集しています。
当初の主治医に対しては、複数回、書面による尋問を行い、それらの一切を地裁に証拠として提出し、本件の傷病名は、C6頚髄損傷による対麻痺であり、1級3号が認定されて然るべきと主張しています。

2)⇒弁護士は、当初の主治医の誤診を前提に、専門医の意見書、母親の陳述書を証拠として提出し、被害者の症状、介護の実態を明らかにし、将来介護料は、自宅における職業介護をベースとして1億2600万円、自宅の1階が店舗として利用されており、自宅介護では、エレベーターの設置が必要であるとして2300万円の住宅改造費などを請求しています。

(4)裁判所の判断
1)⇒裁判所は、専門医の意見書および当初の治療先の術時の画像分析を評価し、また当初の主治医の診断については、複数回の書面尋問により、矛盾が明らかであり、誤診であると判断しています。

2)⇒裁判所は、総額2億8000万円の請求を認めたのですが、被害者過失が50%であり、実現できた損害賠償額は7900万円でした。

損保は、一審の判決を不服として控訴したのですが、高裁では一審判決通りで、和解となりました。

(5)NPOジコイチのコメント
本判例のピンポイントは、医師の誤診に対する対応にあります。

医師が、誤診を素直に認めることは、考えられません。
本件では、先回りをして専門医を受診し、意見書を添付し、新たな傷病名で、自賠責保険調査事務所に被害者請求を行って、1級3号を確定させています。
主治医に対しては、書面による複数回の尋問で、矛盾を明らかにし、裁判所は誤診と認定しています。
本件は、2004年の判決で、当時、多くの地方裁判所は、将来介護料として、家族介護では日額6000円程度を認定する傾向でした。
本件においては、年間285日は、職業介護人の導入で、日額2万円、80日間は家族介護として
日額8500円を認定しており、その意味で、画期的な判決でした。
現在では、家族介護にもレスパイトが必要であるとして、職業介護人の占める割合が増えています。

 
 
ジョーク ひったくり?
深夜、酔っ払ってご機嫌な私は、大声で歌いながら、夜道を歩いていた。
そのとき、ライトの灯りも見えないのに、背後からバイクの音が?
あれ? と首を傾げたら、肩にかけていた鞄をひったくられた。
ところが、そのままバイクが転倒、2人乗りのひったくり犯は地面に投げ出され、
運転者は塀に激突、投げ出されたもう1人も、気絶していた。

音を聞きつけ、現われた近所の人達に、「大丈夫か、どうした?」 と言われ、
「引ったくりみたいです?」 たちまち二人は取り押さえられ、警察に通報された。

そのときは、同人誌即売会の帰りで、パッチもんのコーチの鞄には、
みっしり、みっちり、ぎっしり本が詰まっていて、後で計ったら12kgもあった。
大声で歌いながら、スキップしている酔っ払い女の鞄が、そんな重さだと思わなかったらしく、
ひったくった後部座席の男がバランスを崩して転倒してしまった。

重量級の鞄は、「おぉ、重い!」 「本って重いんだなぁ!」 「こりゃバランス崩すよ!」
順番に持ち上げた、お巡りさんの感想でした。

 

9/8(火)判例6 夫婦で農業に従事している?

判例6 夫婦で農業に従事している? 

(脊髄損傷 1級3号 2005年 高松地裁 高松高裁 和解)

 

(1)概要
自転車で直進中の農業に従事する63歳男性に、飲酒の普通乗用車が追突したもので、被害者には、上肢および体幹麻痺などにより1級3号が認定されています。

(2)損保の反論
1)農業収入については、妻女の寄与率を認めるべきである。

2)介護は、家族介護、日額4000円で十分である。

(3)弁護士の立証
一審の高松地裁は、介護料の算定において、妻の介護負担を過小評価し、別世帯の子どもの介護をあてにした内容で5400万円の算定であったので、弁護士は、高裁に控訴しています。

1)⇒弁護士は、将来介護料では、主治医の意見書と家族の陳述書を証拠として提出し、地裁の判断の誤りを具体的に指摘し、職業介護と家族介護の併用で7200万円を請求しています。

2)⇒弁護士は、介護住宅に実績のある建築設計事務所の意見書と見積書を証拠として提出し、住宅改造費の内、被害者の利用分として700万円、すでに実施している在宅介護の実績を基礎に、介護雑費800万円を請求しています。

3)⇒弁護士は、刑事記録を分析し、飲酒、スピード違反、運転中の携帯電話使用など、加害者の悪質かつ、一方的な過失で、本件事故が発生したことを立証し、制裁的な要素を取り入れて、被害者の後遺障害慰謝料が3000万円、妻と成人した子ども2人の慰謝料についても500万円の3500万円を請求しています。

4)⇒弁護士は、事故前の農作業の実態を、妻と家族、地元の農協関係者の陳述書で立証し、ほとんどが被害者本人によるもので、妻の寄与率は極めて少ないことを主張し、3100万円の逸失利益を請求しています。

(4)裁判所の判断
1)⇒高裁は、別世帯の子どもの介護を中心とした地裁判決を却下し、職業介護と妻を中心とした家族介護の併用で、7200万円の将来介護料と実績に基づいて請求された将来の介護雑費800万円を認定しています。

2)⇒高裁は、建築設計事務所の意見書を評価し、一審で500万円であった住宅改造費について、700万円を認定しています。

3)⇒高裁は、飲酒、スピード違反、運転中の携帯電話使用など、加害者の悪質で一方的な過失であることを認め、一審で2800万円だった被害者の本人の後遺障害慰謝料を3000万円に、妻と成人の子ども2人の慰謝料500万円を認定しています。

4)⇒高裁は、妻と家族、地元の農協関係者の陳述書を評価し、被害者の寄与率を100%として、437万円を基礎として、3100万円の逸失利益が認定されています。

5)63歳、農業従事者の男性に対して、遅延損害金2400万円を含んで1億7700万円の損害賠償額が実現、第一審の1億2400万円に比較して、5300万円が増額しています。

(5)NPOジコイチのコメント
本判例のピンポイントは、農作業における夫婦の寄与率にあります。

農業で夫婦の寄与率? 立証の難解な領域です。
しかし、本件の弁護士は、農協にまで飛び込んで陳述書をまとめ上げています。
弁護士の諦めない姿勢は、最大限に評価できるものです。

 
 
ジョーク未亡人?

夫を亡くしたころ、女学校の同窓会に出ると皆から、
「お気の毒に!」 と言われましたが、18年たった今は、みんなから、「うらやましィー」
と言われています。

 

9/7(月)判例7 将来介護料と公的給付の整合性? 

判例7 将来介護料と公的給付の整合性? 

(脊髄損傷1級3号 2004年 名古屋高裁 判決)

 

(1)概要
大卒後、資格取得を目指してアルバイト中の25歳男性が、乗用車を運転し、交差点で信号待ち停止中に、居眠り運転の大型貨物車の追突を受けたもので、被害者には、C5頚椎の脱臼骨折による頚髄損傷で1級3号が認定されています。

(2)損保の反論
1)1級3号が認定されているが、上肢の機能は一部残しており、喪失率は100%ではない。

2)被害者は、公的給付を受けられるので、介護料は減額されるべきである。

(3)弁護士の立証
1)本件の被害者には、麻痺に伴って痙性(痙縮)※の症状が重度であり、筋肉や関節が固く強ばり、両下肢の突発的な痙攣発作を制御することができない状態でした。
そのため、介護の母親は、体位変換や排泄の介助などで、通常以上の重労働を強いられていました。

⇒弁護士は、治療先のカルテと看護記録、後遺障害診断書、脊髄判定用、痙性による日常介護の実態を主治医の意見書と母親の陳述書で克明に立証し、特に、排尿・排便の介助中や車椅子で移動中に痙攣発作を発症するなど、安全上のリスクがあり、介護機器の操作についても補助が必要であって、常時介護を要する状態であることを重点的に立証し、被害者の母親の、1日5時間の内職に対し職業介護人の必要性を認め、70歳までは日額1万5000円、70歳以上は、日額1万8000円の将来介護料、総額8100万円を請求しています。

2)⇒弁護士は、市役所からの福祉手当などの公的給付について、
①社会福祉制度に基づく給付であり、損害を填補する性質のものではなく、公的給付を前提に損害を算定するのは相当とはいえないこと、
②国の財政事情が不安定であり、将来にわたって現在水準の公的給付が受けることができるかは不確定であること
を強く、反論しています。

2)介護住宅の実績がある建築設計事務所の意見書と見積書を証拠として提出、住宅改造費の内、被害者利用分として1500万円を、介護用具費1100万円、介護雑費として1500万円を請求しています。

(4)裁判所の判断
1)⇒高裁は、弁護士の主張を認め、被害者の母親の1日5時間の内職に対し職業介護人の必要性を認め、70歳までは日額1万5000円、70歳以上は、日額1万8000円、総額8100万円の将来介護料を認定しています。

2)⇒高裁は、建築設計事務所の意見書を評価し、住宅改造費1500万円を認定しています。
その他の介護用具費1100万円、介護雑費1500万円も、弁護士の請求通りに認定されています。

3)判決額2億6900万円の損害賠償が実現しています。

※痙性(痙縮)


痙性歩行では、下肢が鋏状に交差します。

脊髄損傷が慢性期に入ると、動かせないはずの筋肉が、本人の意思とは関係なく、突然強張る、痙攣を起こすことがあり、これを痙性、痙縮と呼んでいます。
麻痺している領域の腱反射が亢進し、皮膚刺激や内臓刺激、骨と関節の刺激などに対して、筋肉が、一斉に収縮することにより、筋肉の痙攣が起こります。
自分でコントロールすることができず、重度では、日常生活に支障をきたします。
痙性の原因となる皮膚刺激では、褥瘡や皮膚の化膿、陥入爪などが、内臓刺激としては便秘、尿路感染症結石などが、骨と関節の刺激では、骨折、脱臼、異所性骨化などが挙げられます。

1)メカニズム
脊髄損傷では、当初、脊髄ショックにより、筋肉が衰弱して軟化します。 脊髄ショック状態が終了すれば、反射活動は復帰するのですが、損傷レベル以下では、脳からの指令が中断し、こうした信号を脳の反射中枢に届けることもできません。
すると、脊髄は、身体の反応を緩和しようと試みるのですが、脊髄は脳に比較すると非効率的であり、痛感部位に戻される信号がしばしば過度に誇張されることがあるのです。
これが、痙性緊張亢進と呼ばれる筋肉の過剰反応で、症状としては、自らで制御できない筋肉のピクピクした動き、筋肉の硬直や直立、筋肉または筋肉群のショック状収縮、異常筋緊張があります。
ほとんどの脊髄損傷患者は、何らかの痙性緊張亢進を経験しているのですが、経験則では、完全損傷よりも、頚椎損傷や不完全損傷の被害者に、痙性緊張亢進が認められており、肘を曲げる屈筋や脚を伸ばす伸筋は、痙攣を発症しやすい筋肉です。

2)痙性の長所
感覚が失われた部位に起こっている損傷や障害、皮膚刺激や内臓刺激を察知でき、痙性によって筋肉のサイズと骨強度が維持され、血液循環が促進されます。

3)予防
①痙性を緩和するため、毎日、ソフトな関節可動域訓練を行う、
②シャワーや入浴で体を温める、
③適度な運動や趣味などで気分転換をはかり、ストレスを溜めないようにする、

投薬治療

薬剤名

用量mg

作用

副作用

バクロフェン

5~30

筋肉をほぐし、痛みを和らげる、
筋肉の強ばりを改善、血流改善

眠気、吐き気、食欲不振、脱力感、ふらつき

ダントリウムcp

25~150

麻痺や筋肉の強ばりを改善

眠気、集中力低下、めまい、肝機能障害

ミオナール

50~150

筋肉を緊張させている神経を鎮める、
血流改善

眠気、脱力感、ふらつき、食欲不振、

テルネリン

1~9

筋肉を緊張させている神経を鎮める、
血流改善

眠気、脱力感、ふらつき

セルシン

2~15

精神安定、筋緊張緩和、抗痙攣作用

長期服用で依存症、眠気、注意力・集中力の低下

重症の痙性では、脊髄機能不全部位に直接薬物を注入する容器を手術で体内に埋め込むバクロフェン・ポンプが使用されており、これにより、薬物濃度を高め、経口服用の副作用を押さえ込むことができます。

(5)NPOジコイチのコメント
本判例のピンポイントは、等級に影響しない痙性に着目し、常時介護を認めさせたことにあります。

痙性(痙縮)の症状が、介護を困難にさせていることに着目し、主治医の意見書と母親の陳述書でそれを立証し、母親の1日5時間の内職も継続させることで、職業介護人の導入を認めさせています。
通常の発想ではおよばないことで、本件弁護士の着眼点、創造力には頭が下がります。

もう1つ、後遺障害の審査では、痙性の有無が等級に反映されることはありません。
ところが、重度の痙性を伴っているときは、介護の質は変わってきます。
つまり、痙性は、将来介護料の請求で、弁護士が着目して実力を発揮する領域なのです。

①痙性が特定の身体動作を妨げているか?
②電動車椅子や車の運転中に制御不能になるなどの、安全上のリスクがあるか?
③痙性防止薬が痙性症状よりも深刻な副作用を有し、集中力や活力に悪影響を及ぼしていないか?
④介護人の手に負えなくなるほど痙性が悪化していないか?

脊髄損傷であれば、上記を詳細にチェックしなければなりません。

 
 
ジョーク専門分野?

医者って、自分で専門分野を選ぶんだろ?
小児科は、「子供を救いたいから?」
産婦人科は、「命の誕生を助けたいから?」
肛門科を選んだときは、どんな理由付けするの?

 

9/3(木)判例8 刑事で不起訴でも、決して諦めない? 

判例8 刑事で不起訴でも、決して諦めない? 

(脊髄損傷 1級3号 2006年 名古屋高裁 判決)

 

(1)概要
20歳男性会社員が、大型自動二輪車を運転して右カーブを曲がろうとした際、中央線をはみ出した状態で停止していた対向普通乗用車を避けようとしてガードレールに激突したもので、C5頚椎脱臼骨折、左下腿骨骨折の傷病名で両下肢の対麻痺となり1級3号が認められています。

警察が、被害者の自損事故と判断したことで、自賠責の被害者請求を行うことも難しく、健康保険適用で、治療費の一部を自己負担して療養を続けていました。

(2)損保の反論
1)本件は被害者の自損事故であること、

2)刑事事件では、不起訴処分とされていること、

3)中央線をはみ出した状態で停止しておらず、民事でも過失0、無責であること、

(3)弁護士の立証
1)弁護士は、事故現場を見分、刑事記録の実況見分記録、交通事故限挫見取図の分析を行い、裁判所に、目撃者の陳述書や現場のビデオを提出し、目撃者と担当警察官の証人尋問を行って、加害自動車のセンターラインオーバーを立証しています。

2)被害者は、家業の米屋の従業員でしたが、将来の職業従事の可能性から、男子高卒全年齢平均賃金を基礎収入とした逸失利益8900万円を請求しています。

3)被害者の現在症状は、主治医の意見書で、住宅改造は、改造図面の作成者の詳細な陳述書および、当時の住居のビデオ撮影によって、住宅改造の必要性と改造の内容を詳細に立証、1800万円を請求しています。

4)先の主治医の意見書に加えて、家族の陳述書で介護の内容を明らかにし、家族介護と職業介護を平均して日額8000円、平均余命57年間分として5400万円を、車椅子などの福祉機器や介護雑費は、メーカーの耐用年数、現在までの実績をベースとして積み上げ、1500万円を請求しています。

(4)裁判所の判断
1)⇒裁判所は、地裁、高裁とも、判決で加害者のセンターオーバーを認め、地裁は、被害者過失を40%、高裁では、30%と認定しています。

2)⇒高裁は、建築設計事務所の陳述書とビデオ撮影を評価し、1800万円の高額な住宅改造費を認定しています。将来介護料についても、主治医の意見書と家族の陳述書を評価し、日額8000円、総額5400万円を、介護関係費用も弁護士の請求通り、1500万円を認定しています。

3)高裁判決で認定された損害額は2億1900万円でしたが、30%の過失相殺がなされた結果、1億5400万円の損害賠償が実現しています。

(5)NPOジコイチのコメント
本判例のピンポイントは、弁護士の諦めない性格にあります。

交通事故証明書の事故類型が、「その他」になっていて、自損事故の扱いと聞けば、どちらの弁護士も諦めモードで、腰が引けてしまい、事故現場に足を運ぶこともありません。

本件では、損保側も、自損事故による無責を主張していました。
被害者も諦めてしまった状態で、健康保険適用で治療費を負担し、療養を続けていたのです。
このまま自損事故で引き下がったときは、加害者の自賠責保険に請求することはできません。
被害者は、人身傷害保険に未加入ですから、自損事故保険のみの回収となります。
医療保険金は、1年間の入院で100万円、 後遺障害保険金は、1級3号で1500万円、 介護費用保険金は、200万円ですから、 車椅子に頼る状態であっても、被害者に支払われるのは、1800万円に過ぎません。

それを決して諦めることなく、立証を続け、無責を30:70に持ち込む大逆転で、30%の過失相殺後であっても、総額1億5400万円の損害賠償を実現したのです。
弁護士なら、誰にでもできることではありません。

 
 
ジョーク こうのとり?

男の子 「ねーねーお父さん、赤ちゃんは、どこからくるの?」
父 「赤ちゃんはね、コウノトリさんが運んでくるんだよ!」
男の子 「流通経路の話じゃなくて生産元の話だよ、父さんは魚の居場所を聞かれて船と答えるの?」
父 「ちょっと待って!」

 

9/2(水)判例9 無保険車傷害保険に請求して回収?

判例9 無保険車傷害保険に請求して回収? 

(脊髄損傷1級1号 2008年 一審千葉地裁 東京高裁 判決)

 

(1)概要
知人の乗用車に同乗中の18歳、男子高校3年生が、国道の急カーブ地点で、センターラインオーバーの対向車が衝突したもので、被害者には、C4頚椎脱臼骨折などで四肢体幹麻痺となり、1級1号が認定されています。加害者の女性はこの事故で死亡していますが、任意保険は未加入、無保険でした。

(2)損保の反論
1)被害者の現在症状は、四肢体幹の完全麻痺で、排尿・排便困難を伴う重い後遺障害を残し、日常生活のほぼすべてにおいて他者の介護が必要であり、自律神経失調症状などにより24時間の体調管理が必要な状況でした。

2)本件事故の主たる原因は、加害者のセンターオーバーですが、被害自動車の運転手にもスピード違反が認められており、共同不法行為が成立する可能性が予想されました。

3)加害者は無保険であり、本件事故で死亡しています。
2台の自動車の自賠責保険に対して共同不法行為の請求を行った後に、加害者と自分の保険の無保険車傷害特約からの支払いを求めて訴訟することとしました。

(3)弁護士の立証
1)⇒弁護士は、治療先のカルテと看護記録、後遺障害診断書、脊髄症状判定用、主治医の意見書、家族の陳述書を証拠として提出、被害者は、四肢体幹の完全麻痺であり、排尿・排便困難を伴う重い後遺障害であって、かつ、自律神経失調症状などにより24時間の体調管理が必要であることを立証し、職業介護人の併用で、日額1万8000円、総額1億0700万円の将来介護料を請求しています。

2)訴訟提起の時点で、在宅介護は実施されており、介護住宅に実績のある建築設計事務所の意見書と見積書を提出し、住宅改造費の被害者利用分として、1000万円を、介護ベッドとリフト費用の購入費として700万円、車両の改造費として200万円を請求しています。

(4)裁判所の判断
1)⇒裁判所は、主治医の意見書と家族の陳述書を評価し、家族介護と職業介護の併用で、日額1万8000円、総額1億0700万円の将来介護料を認定しています。

2)⇒裁判所は、建築設計事務所の意見書を評価し、住宅改造費として1000万円を、介護ベッドとリフト費用の購入費として700万円、車両の改造費として200万円を弁護士の請求通りに認めています。

3)本件では、共同不法行為が認められ、2つの自賠責保険から8000万円が支払われました。
残りを、被害自動車の対人保険に自動担保されている無保険車傷害特約に請求したものです。

4)無保険車傷害保険金訴訟では、遅延損害金が支払われません。 弁護士費用1000万円を含み、判決額は2億円でしたが、自賠責保険金の8000万円を加え、2億8000万円の損害賠償が実現しています。

(5)NPOジコイチのコメント
本判例のピンポイントは、加害者のセンターラインオーバーに引きずられることなく、当方自動車の速度にも着目して、共同不法行為の申請を行ったところにあります。

これにより、2つの自賠責保険から8240万円が回収できたので、無保険車傷害特約としても4000万円を節約することができ、払いやすくなる環境が整ったのです。

加害者が無保険であっても、被害者側に任意自動車保険の契約があれば、対人保険に自動担保されている無保険車傷害特約に請求することができます。

2000年5月、交通事故110番のHP立ち上げ以来、無保険車傷害特約を取り上げてきました。
今では、理解が進み、加害者が無保険で、被害者が狼狽えることも少なくなっています。
損J日興、セゾン、セコム、ソニーであれば、保険金は無制限ですから不足はありません。

過失事案で人身傷害保険が絡むと、損保によっては、どちらに先に請求するのか?
弁護士には保険の約款の知識が必要となります。

 
 
ジョーク無知?

コンビニのイートインコーナーで、シーチキンを食べている女子高生?
A子 「これ、魚だよね?」
B子 「え、なに言ってんの、シーチキン、海の鶏肉だよ!」
A子 「えっ、カモメ!?」
あまりに、バカすぎる。

 

9/1(火)判例10 共同不法行為で一方が無保険車?

判例10 共同不法行為で一方が無保険車? 

(脊髄損傷1級1号 2009年 福島地裁 和解)

 

(1)概要
24歳の男性会社員が、無保険のバイク後部座席に同乗中、信号機の設置されていない交差点でトラックと出合い頭衝突し、被害者には、脊髄損傷、T4胸椎以下の麻痺で1級1号が認定されています。

(2)損保の反論
1)座ったままなら仕事が可能という医師の診断書を根拠に、労働能力喪失率は90%である。

2)仕事ができるので、介護料も少額で十分である。

(3)弁護士の立証
1)⇒弁護士は、治療先のカルテと看護記録、後遺障害診断書、脊髄症状判定用、本人と家族の陳述書を証拠として提出、被害者の日常生活状態を立証した上で、1級1号が認定されており、労働能力喪失率100%、大卒全年齢の625万円を基礎に、1億1789万円の逸失利益を請求しています。

2)事故後、被害者は車椅子生活となり、住居のバリアフリー化が必要となりましたが、自宅は農家の古い家屋であって、改造には限界があり、ギリギリの改造を行ったとしても、なお、他人の介助が必要となる状態でした。

⇒弁護士は、介護住宅に実績を有する建築設計事務所の意見書と見積書で、それらの問題点を明らかにして、住宅の改造費の内、被害者の利用分として900万円を請求しています。

3)⇒弁護士は、将来介護料について、被害者の置かれている環境を詳細に立証し、限界に等しい住宅改造を行っても、日常生活上、被害者は、他人の介助が必要とする状態であるとして、両親が67歳になるまでは日額4500円、67歳以降は、1万5000円の介護料を、介護の諸費用、雑費の合計で1200万円を請求しています。

4)⇒弁護士は、バイク側に80%過失が認められる事故発生状況でしたが、共同不法行為を主張して損害賠償額の全額を相手トラックに請求しました。
バイクの運転手は無保険だったのですが、500万円の見舞金が支払われています。

(4)裁判所の判断
1)⇒裁判所は、残念なことに、損保90%、弁護士100%の中間を採用する形で、喪失率を95%とし、大卒全年齢、625万円を基礎として、1億1200万円の逸失利益を認定しています。

2)将来介護料は、弁護士の請求通り、両親が67歳になるまでは日額4500円、67歳以降は、1万5000円、総額7200万円が認定されています。

3)住宅改造費900万円、介護諸費用・雑費1200万円、本人慰謝料3100万円、近親者慰謝料400万円も請求通りに認定され、調整金1900万円を含み、和解金は2億2500万円ですが、自賠責保険金4000万円、バイクの運転者からの見舞金500万円を加え、2億7000万円の損害賠償が実現しました。

(5)NPOジコイチのコメント
本判例のピンポイントは、共同不法行為における請求方法にあります。

本件は、バイクとトラックの共同不法行為で、バイクの後部座席に乗車中の被害者が負傷しています。
バイクとトラックの過失割合は、80:20ですから、本来は、バイクの運転者が加害者となります。
ところが、加害者は無保険です。
共同不法行為では、被害者は、どちらの加害者に請求しても構わないのです。
当然、任意保険に加入しているトラックに損害賠償を求めて、訴訟提起をしているのです。
トラック側の損保は、判決額を支払ってから、過失割合について、加害者と協議し、応分の負担を求めることになりますが、加害者が無保険では、結局のところ、請求権の放棄で決着することになります。

車椅子で移動できる被害者であっても、被害者が置かれている個別的な環境に注目し、丁寧に立証を積み重ねた結果、日額4500円の将来介護料が認められています。
簡単に諦めないことが重要なポイントです。

 
 
ジョークルンバ Ⅱ?

家族の留守中に、飼い犬が床にビチグソして、ルンバが、センサーで感知し、自動出動、
素早く、ウンチに、のしかかり、床に塗りたくりながら家中を徘徊、
俺 帰宅、震災被害のときより、精神的には、キツかったぜ!